サントリー酒類では、広告接触者のうち8.3%の来店を確認!
では、オンライン×オフラインの行動データを活用することで、どのような効果が生まれるのか。本セッションでは、フリークアウトが運営する位置情報ターゲティング広告プラットフォーム「ASE」と「Shufoo!」を組み合わせたソリューション事例が共有された。
「ASE」は、延べ4,000万超のエリア設定による位置情報ターゲティング機能と、LINEを含む2,700億インプレッションの広告在庫を有する広告配信プラットフォームだ。凸版印刷とフリークアウトは、今年7月「Shufoo!」と「ASE」の連携を実施。これにより「購買意欲が高く、特定のエリアにいるターゲットに来店を促す広告を配信し、その結果どのくらい送客につながったか」を可視化するソリューションを開発した。
このソリューションの実証実験に参加したサントリー酒類は、「Shufoo! DMP」でのセグメンテーションと「ASE」での位置情報ターゲティングを組み合わせ、タイアップ先の流通チェーン店舗への送客を目的に広告を配信。その結果、広告接触者の8.3%が該当の店舗に来店したという成果を確認できたという。
この結果について廣瀬氏は、「Shufoo!で購買意欲の高いターゲットを抽出していたから、より高い成果を出すことができたのだと考えています」と見解を示す。
精緻なセグメンテーションか、リーチのボリュームか。
このように、広告やコミュニケーションの効果向上には、複数のカテゴリーのデータを組み合わせた精緻なターゲティングが重要である。
しかし一方で、「オンラインとオフラインの行動データの掛け合わせは歓迎するが、データが膨大になりすぎて、活用しきれるか不安という声も聞かれます」と森谷氏。
確かに、セグメントを細分化しすぎることに対し「限界があるのでは」という指摘もある。さらに森谷氏は、「セグメントを詳細にすればするほど効果が大きくなるかというと、あながちそうとも言い切れません」と語る。オンラインもオフラインも含めて精緻なターゲティングを行うと、リーチ範囲が狭くなり、収益へのインパクトが低下する場合もあるからだ。
「パーソナル特性でセグメント化を進める際、その効率化には限界があり、かつリーチボリュームは小さくなってしまいます。よって、別の切り口でセグメント化を図ることが必要です」(森谷氏)