「楽天GORA」は気象データを掛け合わせた施策を展開!
そこで、注目したいのが気象などの環境データだ。NTTデータグループのハレックスは、ピンポイントの気象状況を高頻度で予測し、そのデータを企業に提供している。続いて檀上に上がったハレックスの藤田氏は、企業がどのように気象データを活用しているのかを説明した。
天候が不安定なとき、ゴルフ場ではどうしてもキャンセルが増えてしまう。ゴルフ場予約サービスを提供する「楽天GORA」は、キャンセル抑止に向け、ハレックスの気象データを基に、各地域の1時間ごとの天気を表示。一般的な天気予報とは異なり、ピンポイントでかつ最新の情報を表示することで、キャンセル抑止に役立てているそうだ。
また、ある飲食店はハレックスの気象データを活用して、その日の気温や天候に応じ「猛暑日クーポン」「雨の日クーポン」などをリアルタイムで配信している。飲食業界では、「雨が降ると、来店者数がが減少する」と言われており、気象要因で売り上げが左右されがちだ。そんな中、リアルタイムな気象データに基づいて来店を促すクーポンを配布することで、来店者数を上げ、売り上げの増減をフラットにできているという。
気象データも取り入れたDMPソリューションの展開へ
凸版印刷の森谷氏も、「ハレックスの気象データを活用して、より詳細なセグメントや分析を実現していきたい」と話す。
「Shufoo!やマピオンで所有しているオフラインの行動データに、気象データや位置情報などの環境データを掛け合わせることで、ボリュームを保持しつつ、より詳細な分析が可能になると考えています」(森谷氏)
実際に、2018年10月末には、気象データやジオデモグラフィックデータなどの環境データをマーケティングに最適な形に変換する「環境データマート」をリリースする予定だ。この「環境データマート」と「Shufoo!」を連携させることで、ユーザーの気象状況に合わせたクリエイティブでの広告配信も可能になる。たとえば、翌日が雨予報なら○○をプッシュ、気温が10℃以下に下がる予報が出たら○○をプッシュという風に、気象データによる高度なターゲティングが実現する。
これまでオンラインの行動データをベースにされていたマーケティング戦略に、買い物や位置情報、環境などのオフラインデータが加わることによる可能性が覗かせ、講演は終了した。