証言や体験談をコピーに活かす
推薦文以上に強力な武器はない
実際に使用した人の意見は現実味が強く、自分ゴトとして認識でき、口コミ効果も期待できます。著名人や業界のプロの意見も説得力があります。アメリカの伝説的コピーライターである、デイヴィッド・オグルヴィ氏もその著書の中で、次のような言葉を残しています。
「コピーには常に推薦文をつけておくべきだ。読者には、匿名のコピーライターの大絶賛よりも、自分と同じ消費者仲間からの推薦のほうが受け入れやすい。通販屋は、推薦文以上に強力な武器はないということを知っている。」(『ある広告人の告白』ダヴィッド社刊より引用)
大事なのは、「事実にもとづいた気づき」
ただし、単なる権威づけにならないように注意しなくてはなりません。素人にも容易に思いつくことなら、あえて威を借りる必要はないからです。例えば医師であれば、大事なのは、医師であることよりも、いかにも医師らしい見方・気づきがあるかどうかです。
逆に一般人でも子育て経験にもとづいた「なるほど」という気づきがあれば、次のように説得力豊かなコピーになります。
「アレルギーの長男が快適に過ごせるよう、24時間換気システムが備わっている○○建築の住宅を選びました」(主婦)
「家があたたかいと活動しやすくなる。冷え性でも出勤前の家事がはかどるのは、どのお部屋も<暖差>がないから」(内科医)
便利・快適・安心……。手垢のついた言葉は使わない
実は何も語っていない「便利」という言葉
代表的なNGワードが、「便利」・「快適」・「安心」。「○○という理由があって便利」という説明は、さすがに本文では述べられていることがほとんどですが、見出しでは、その理由が省略されているのです。
世の中の大半の商品やサービスは、便利で、快適で、安心に暮らせるように製造され、提供されています。便利・快適・安心だけでは、差別化できていない、何も語っていないのと同じです。
動詞では、「楽しむ」がそれに近いと言えるでしょう。要は、守備範囲の広すぎる言葉は避けようということです。
コピーの中で最も重要な大見出しに情報がなければ、読み手はそれ以上読み進めません。
「不」が解消されることを淡々と伝えるだけで良い
便利や快適などとあえて言わなくても、「どういった不満や不安が、どう解消できるか」を淡々と語るだけで、意味は充分伝わります。
「リモコンで手元からスイッチを点けたり消したりできる」
「調理中に出たゴミを腰をかがめずに捨てられる」
と平明に語るほうが、実は知的な文章なのです。意味のない言葉を避けて事実を訴えることを心がけましょう。
文字を大きくするよりも、行間と余白を優先する
行間の「50%・70%ルール」
書ける面積が同じなら、文字を大きくするよりも、行間と字間に余裕を持たせたほうが読みやすくなります。とくに行間は重要です。
50~60代を対象とした凸版印刷による調査では、見やすさの重要度の第1位には「文字の大きさ」が、第2位には「行間隔」が選ばれました。
一般的に確保すべき行間の最低基準は、文字の高さの50%です。さらにゆとりを持って70%の行間を確保できれば、シニア世代にとっても読み進めやすい文字組みになります。
文字と他の要素の間の余白にも留意
相互の関連性がわかるように、文字と他の要素は近接させるのが原則ですが、それでも、ぎりぎりまで密着させるのはNG。例えば、図や写真とそれに加える説明文(キャプション)などには、ある一定の余白が必要です。
行間同様、文字の高さの50~70%は確保するようにすべきでしょう。
下に誘導するデザインで読ませる
スッキリ納まったページデザインは要注意
最近はコンテンツをスマートフォンで見る人が増え、Twitterのようにスクロールして新しい情報が表示される縦長のコンテンツ(ロングスクロール)が増えています。ロングスクロールのページでは、下にもコンテンツの続きがあることを視覚的にわかるようにしておくことが大切です。
シニアや慣れない人は、下にページが続いていることに気づかない場合があるからです。下にも情報があるにもかかわらず、最初に表示される画面で完結しているように見えるページは、とくに注意が必要です。
下へどんどん読み進めたくなる工夫が必要
ページの下にコンテンツが続いていることに気づかずに次のページに行ってしまう、そのため探しているものが見つからずにサイトから離れてしまうこともあります。それを避けるためには下のバナーを少し見せる、写真をチラ見せするなど、下の部分にコンテンツが続いていることがわかるデザインにする必要があります。
例えば、サプリや化粧品のWEBサイトでは、「ランキングコンテンツ」を入れるなどの工夫をしています。ランキングであれば「1位」の次に「2位」があるのは容易に想像できます。さらに次を見てみたいという気持ちにさせる効果が期待できます。
バナーのデザインについても、下向きの矢印を配置すれば、下へ下へとユーザーを誘導することができます。
ポイントは「次(下)に何があるのかな」と期待を持たせ、読み進んでもらうようにすることです。