Instagram運用のコツ3つ/ストーリーズ広告のABテスト事例
続けて、話題はSNSのアカウント運用方法についても及んだ。
SNSの運用担当者にとって、ネタ切れや面白いコンテンツが浮かばない……といった悩みは、共通してあるものではないだろうか。BOTANISTのSNSディレクターを務める横田氏は、クリエイティブの幅を広げる仕組みとコンテンツ作りのコツとして、以下の3つを紹介した。
1.フィーチャー投稿
BOTANISTのアカウント発のハッシュタグを付けてくれている投稿をピックアップして、自分達のアカウントで紹介する。自分の投稿を紹介してもらうことの喜びを通して、コミュニティに参加してもらう目的もある。2.海外パートナー
世界観を表現するのに長けているカメラマンとパートナーシップを結んでいる。これにより、日本では撮影できない写真もSNS上で発信することができる。3.コラボクリエイター
様々な分野で活躍しているクリエイターにブランドの世界観を表現してもらう。
また、直近のInstagram ストーリーズ広告の事例も共有された。アテンション/トリガー/リザルト/CTAの訴求ポイントに分けて、パターンを組み替えながらABテストを実施したところ、結果に大きな差が出たという。

「動画は最初の3秒が大事とよく言いますが、SNSではその傾向が顕著に数字に表れます。このときの結果は、パターンCが最も視聴維持率が高く、パターンFがリンククリックのCV率が高かった。ファーストインプレッションにロゴや商品を配置するか否かで、結果が大きく変わることがわかりました。こうしたデータを蓄積して、広告の勝ちパターンの知見を貯めています」(横田氏)
他にも、UGC投稿で反応の良かったものは、Instagram広告やLINEの広告、ECのアーカイブ画像掲載などに展開しているそうだ。なお、これらの施策はすべてブランドKGIに紐づいている。認知率/好感度/推奨度などの指標に基づいて現状のブランド課題を把握しながら、KPIの動向を確認しているという。
一番大事にしているのは、全員がブランドの体現者であること
このようにクリエイティブから効果検証まで、すべてを連携してPDCAを高速で回していけるのは、全員参加型の組織づくりを実践していることが大きい。
ユーザーから集まった声を全社で共有するハッピーボイスや、海外経験が豊富なスタッフで構成されたトレンドハントチーム、若手のみで構成されたミレニアルジェネレーションZチーム、300名の社員から毎月商品企画・PRにつながるアイデアを一つ吸い上げる仕組みなど、地道な取り組みが組織基盤になっているのだ。最後に、今井氏はブランディングにおける自身の考えを次のように語った。

「月並みですが、やはりスタッフ全員がブランドの体現者になることが、一番大事だと思います。それを実現するために、ブランドを自分ごと化してくれるような仕組みを整えることが重要。画像のようにモクモクの中に頭を突っ込むイメージで、BOTANISTというひとつのブランドアイデンティティの表現について皆で考えて、ブランド自体を大きくしている感じですね。
その中で、スタッフ全員がそれぞれの経験やインスピレーションを出し合い、どのようにしてより多くの人に届けるのか、より多くの人の心を震わせることができるのか、それを逆算して考え抜くことが重要だと考えています。データドリブンの上でのクリエイティブ表現。それを繰り返し、高みを目指し続ける。僕らの表現やメッセージが、社会や人々の生活・人生に対し、少しでもポジティブな態度変容を起こせたらいいなと思っています」(今井氏)