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MarkeZine Day 2025 Retail

フリマアプリによる「消費変貌」~1億総商人時代のモノへの向き合い方~

売れるものしか買わない、生前整理、子どもの金銭教育……「メルカリ」のデータから見た消費の変化


中高年でジワリと広がる、生前整理としてのCtoC

 若者とは違った傾向を見せているのが、中高年層です。このセグメントで生まれているのは「生前整理」としてのフリマアプリ活用です。

 中高年層の方々がこれまで大切にしてきたもの、コレクションしてきたものを生前整理として出品するケースがメルカリでは増えています。昔は、店舗型のリサイクルショップが使われるケースが多かったかもしれません。しかし、リサイクルショップの場合は、自分で値段を決められません。場合によっては、買取額が定価から大きく下がってしまうこともあります。

 その値付けが適正かどうかは別として、ずっと大切にしていたものを買い取ってもらう際に、納得感の低いケースはあったかもしれません。フリマアプリの場合は、自分で決めた値段をつけられるので、納得感という点では満足しやすいのでしょう。また、買い手がわかるので「次の人に引き継ぐ」という実感値も高いと言えます。その点で、中高年層の生前整理にフィットしているのかもしれません。

 売買の際に買い手と売り手が頻繁にコミュニケーションすることもあり、品物以外の要素も引き継がれているようです。若者のスマートな消費とは違う文化が生まれています。

ママ層で起きたCtoCへの熱狂

 メルカリによって二次流通が活発になっているセグメントは他にもあります。子どもがいるママ層です。実はメルカリにおいてママ層の利用は非常に多く、広告効果も顕著です。CTR(クリック率)、CPR(広告効果の経費効率)を見ても、ママ層の購買ゾーンとなる子ども向け用品の数値が極めて高いのです。

 背景にあるのは、子ども向け用品はサイズアウトや消耗が短期間で起きるので、他の商品に比べて買い替えのサイクルが圧倒的に早いことです。結果、二次流通での売買に適しており、メルカリの利用頻度が高くなったと言えます。最近は、大型配送サービス「大型らくらくメルカリ便」を利用して、ベビーベッドやベビーカーなどを売買するケースも増えてきました。

 同時に興味深いのは、ママ層の売買するアイテムが、子ども向け用品だけでなく自身のものに広がっていることです。子育て期の母親は外で働くのにハードルがありますが、メルカリを使うと在宅でもお金を稼ぐことができます。その点が子育て中のママ層に好まれているのではないでしょうか。熱心に売買のコツを勉強している主婦の方も多く、非常に成熟した市場になっています。

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親が子どもにメルカリを利用させる!?その理由とは

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この記事の著者

鋤柄 直哉(スキガラ ナオヤ)

 2014年3月に株式会社メルカリに入社。オンライン広告担当として入社し、その後日本市場をメインに、オンライン・オフラインのマーケティング業務全般を横断的に担当。オンラインプロモーション・TVCM・リアルイベントの3本を軸にマーケティング活動を展開中。 新卒で入社した株式会社ボルテージでも広告出稿を担当。アプリグル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/29 12:02 https://markezine.jp/article/detail/29524

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