広告メディアは次々と誕生している
例えばコーヒー売り場のゾーンに目に10人の買い物客がいて、その売り場にデジタルサイネージが設置されていれば、デジタルサイネージに映し出された広告は10人にリーチしたことになる。その数を166店舗で集計し、広告効果を算出するという具合だ。
広告効果は、従来型メディアの測定方法であるGRPを採用している。GRPとは、gross rating pointの略で、テレビの場合だと、テレビコマーシャルを放映した本数に、それぞれの番組の視聴率を掛けた総和のこと。「総視聴率」のことだ。店舗の場合だと、全米のスーパーマーケットなどで同じ広告を表示し、米国の人口の何割がその広告を何回見たのか、という指標になるわけだ。ニールセン・インストアによると、男女8グループに分けてGRPを測定、ターゲット層に与えた影響を測定することができるという。
またオンライン広告で使用されているCPMという指標も利用できる。CPMはCost Per Milleの頭文字で、1000件ごとのコスト、という意味。オンライン広告では1000ベージビュー当たりの広告料金ということになる。小売店舗のデジタルサイネージの場合だと、1000人に広告を見てもらった場合の広告料金、ということになる。従来型マスメディアやオンラインメディアの広告測定と同じ指標を使うことで、他のメディアとの比較が可能になるわけだ。これにより広告主は、テレビからデジタルサイネージまで、あらゆるメディアの広告枠の価格と効果を比較し、予算を割り当てることが可能になる。
Starcom Worldwide社のJack Sullivanさんは「広告主のほうからデジタルサイネージに手を差し伸べてくれると思ったら大間違い。今までになかった広告メディアが次々と誕生してきているので、効果を比較できないと、広告主は相手にしてくれない。従来からある指標という、広告主に理解できる言葉で語る必要があるんだ」と強調する。
年齢、性別をリアルタイムに顔で認識
ニールセンは、赤外線センサーと人による計測でデータを集めているが、このほかにも小売店舗内でのデータ収集の新技術が次々と登場している。米truemedia社は、デジタルサイネージの上に小型カメラを設置し、デジタルサイネージを見ている人の顔を認識する技術を開発した。
ラスベガスの見本市会場に設置してあった装置で実際に試してみたところ。画面を見つめている人の顔の部分が円で囲まれ、画面を見ている人の人数を正確に把握していた。試しにわたしが顔をそむけると、わたしの顔を囲っていた円が消えた。画面の前に数人立ったときも、画面を見ている顔だけが円で囲まれていた。
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