CtoC取引ならではの新サービスも。市場はさらに広がる?
さらに、二次流通の一般化によって、今まで見られなかったサービスも出てくるでしょう。たとえばメルカリでは、スマホを売買する際に「あんしんスマホサポート」というサービスを提供しています。
精密機器や家電製品などをCtoCで取引する場合、正常に動作しない不良品が届くことへの不安があります。またスマホの場合、個人情報が端末に残ると、個人情報の流出にもつながります。
そういった不安を解消するため、スマホの出品者から購入者へ届ける課程で、検品センターを挟みます。そこで動作不良がないか確かめ、さらに個人情報を削除。その後、検品センターから購入者へ配送します。
このようなサービスは、二次流通の一般化で普及していくかもしれません。CtoC取引ならではの不安を、当社の監視体制のみならず、外部の業者と連携するなど、取引の信頼性を上げるサービスが活性化していくでしょう。
総論としては、商品の保証や修理、あるいは二次流通での安心担保といった要素が、これからの商品やサービスにおける一つのポイントになるのではないでしょうか。
これらの背景の中で、現代に有効なマーケティングとは
連載の第1回では、二次流通の一般化による「世代ごとの消費変化」を紹介しました。そして第2回となる今回は、その中で価値を持つ「商品のあり方」を考察してきました。
消費者の動向や商品としての価値づけ、ブランディングについて触れた形ですが、ではマーケティングをする企業は、どのように消費者にアプローチしていくのが良いのでしょうか。
今、メルカリで力を入れているのが「ライブコマース」です。ライブコマースとは、タレントやSNSで人気のインフルエンサー、あるいは一般の方などがライブで動画を配信し、視聴者はその動画を見ながらリアルタイムで商品を購入できるシステムです。
配信者が動画内で商品を紹介するだけでなく、視聴者とコメントのやりとりを行います。視聴者はその場で質問などをしながら、購入を検討できるのです。
メルカリでは「メルカリチャンネル」というライブコマースを運営しており、ユーザーも増えています。動画なので、商品の雰囲気やサイズ感を細かく知れること、あるいはリアルタイムで質問できることがお客様にうけていますが、もう一つ欠かせないメリットが、お客様と直にやりとりできることです。
企業の中には、お客様とコミュニケーションできる機会が少ないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。「お客様が見えない」という声もよく聞かれます。その課題を超えるものとして、ライブコマースは可能性があるかもしれません。
また、人にファンが付くので、これまでは企業がブランドを作ることが多かったですが、ライブコマースでは人を軸にファンが付き、ブランドが構築されていくかもしれません。
ということで、次回はメルカリチャンネルなどのデータを紹介しながら、ライブコマースの可能性や活用方法を考えたいと思います。
