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イベントレポート

Advertising Week New York 2018で、Googleが語ったデータの取り組み


マーケティングファネルの再定義が必要

Allan Thygesen, Persident, Americas Google
1、Intent is Redefining the Marketing Funnel : A New Formula for Growth

 「デジタルとモバイルによってマーケティングの手法は変わってしまった」と、Allan氏は冒頭で切り出しました。噛み砕くと、長い間機能してきた従来のマーケティングファネルをベースにしたターゲティングやクリエイティブの考え方がマーケティングのデジタル化とモバイルの普及によって崩壊しているということです。

 Allan氏は、実際に行った調査として3rdパーティの10万人のオプトインパネルによる消費行動の調査結果の例を元に「ほとんどの消費者のカスタマージャーニーは従来のファネルにまったく当てはまらないことがわかる」と説明しました。調査結果からは多様なファネルの姿が見え「それは、砂時計型やダイヤモンド型、ピラミッド型など多様なパターンがある」と消費者行動の多様性を説明しました。

 この調査についてはこちらのサイトで確認できることも説明されました。このように複雑化するカスタマージャーニーによって、ファネルの活用方法を再定義する必要性と説く中で、消費者のインテント(購買意図)を高めるための”ブランド“の関与の重要性を強調しました。

 「消費者は、自分たち個人(の課題や興味関心)に関連性のあるブランドを選択している。彼らは自分に支援的なブランドを常に探している」とし、マーケターはすべての接点から得られる情報(データ)をすべての機会に活用しなければならないと述べました。

成長のために必要な3つのシフト

 Allan氏は、このような状況の中において成功している企業を見る中で、そのような企業のマーケターに起きている3つのシフトがあると述べています。複雑化しるカスタマージャーニーのあらゆる段階において購買意図を掴み、予測しビジネスを促進していくための3つのシフトについて説明します。

  1. Focus on business outcomes
  2. Stop marketing to the average
  3. Automate everything

 1つ目が、成功しているマーケターは“ビジネス成果”を重視している、ということです。従来のような“インプレッション””クリック“や”オンラインコンバージョン“だけでなく売上や利益のようなビジネス成果に注目していることです。広告だけではないすべての顧客接点と、オンラインコンバージョンだけではないすべての成果ポイントを見る視点をもっている、と述べました。

 2つ目は、彼らはもはや平均的な指標でマーケティングを行っていない、ということです。GoogleもこれまではCPAを最適化することを進めてきました。今、それをさらに進化させる理由は、実際の消費者に“平均的な消費者”というのは存在しないからだと言います。そして、ビジネスに膨大な価値をもたらすであろうLTVの高い顧客に対する(ブランドや購買体験などの)“差別化”が、デジタル領域においても特に重要であると指摘し、「あなたの投資が利益をもたらす優良顧客を獲得するためのものか、それともただ多くの顧客を獲得するためのものなのかの違いを生む」と、その重要性を強調しました。

 3つ目は、これらのマーケターは積極的に自動化を採用している、ということです。Allan氏は、自動化の必要性について「人間が、複雑なすべてのステップをモデル化しそのレベルの粒度に対してキャンペーンを最適化することはできない。 マシン(機械学習)が必要であり、これからはメディアプランの100%を自動最適化しない場合はあなたのビジネスは後れをとるだろう」と、自動化を急ぎ取り入れる重要性を指摘しました。

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ブランドとパフォーマンスはつながっている

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この記事の著者

山浦 直宏(アユダンテ)(ヤマウラ ナオヒロ(アユダンテ))

アユダンテ株式会社 データソリューション推進統括部 統括部長
チーフエグゼクティブコンサルタント
元立教大学経営学部兼任講師

読売広告社において、事業局、営業局、デジタルビジネス局を経て、ファーストリテイリング、トランスコスモスにて一貫してデジタルマーケティングに従事。2016年よりアユダンテに勤務。 ネット広告の黎明期より一貫して、ネット広告、デジタルマーケティング畑を歩む。アクセス解析には2003年より取組み、解析・コンサルティングの実績多数。2010年よりGoogle アナリティクス360を中心としたデジタルマーケティングコ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/21 12:44 https://markezine.jp/article/detail/29697

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