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「CX」って何だ? 新人編集者が新たな"顧客体験"を探る旅

顧客体験とは、期待を良い意味で"裏切ること"/「CASH」マーケターが語るニーズ起点のサービス設計

 新連載「『CX』て何だ? 新人編集者が新たな”顧客体験”を探る旅」では、広義な言葉ゆえに、企業やマーケターによって定義が異なるであろう「顧客体験(CX)」の本質的な意味を様々な業界キーパーソンへの取材から探っていく。今回は、目の前のアイテムを一瞬で現金に変えることができるアプリサービス「CASH」を運営するバンクのマーケティングマネージャー 立川太郎氏に、ユーザーのニーズに起点を置いた「顧客体験」について伺った。

目の前のアイテムを瞬時にキャッシュ化

株式会社バンク マーケティングマネージャー
立川太郎氏

新卒で金融業界に入り、その後ネット広告代理店、アドビ システムズでオンライン集客などに携わり、現職に至る。

――はじめに、立川さんのご担当領域を教えてください。

立川:オンラインを中心にした「CASH」の集客を担当しています。具体的には、広告のプランニングやユーザー分析・調査などを行っています。弊社のマーケティングチーム自体は、私を含む2名で構成されています。

――「CASH」がどういったサービスなのか、ご説明いただけますか?

立川:「CASH」は、一言で言うと「身近なアイテムを瞬間的にキャッシュにできるサービス」です。アプリをインストールしていただき、換金したいアイテムを写真で撮って「カテゴリー」「ブランド」「コンディション」を選ぶだけで、瞬時に査定額が提示されます。

 提示された査定額にご納得いただけた場合は、その場で取引が完了し、アプリ内のウォレットにキャッシュが振り込まれるという仕組みです。査定額は弊社で持っているデータベースやAIを活用して、ものの2~3秒で表示されるようになっています。

――ユーザーのボリュームゾーンはどういった層になるのでしょうか?

立川:現在は30代前後の女性が多いですね。子育てや共働きで忙しくされているような方々が主な属性として挙げられます。フリマアプリで説明文を考えたり、ユーザーとの値段交渉に応じたりといった手間を省略したい方々に使っていただくケースが多いようです。ユーザーの男女比も、6:4くらいで女性がリードしています。

サービス開発のきっかけは「ニーズ」の発掘から

――サービスの発想は、やはり質屋などで換金する手間をデジタルで完結させるところから来ているのでしょうか?

立川:実は、サービス開発のきっかけ自体は別のところにありました。以前、弊社代表取締役兼CEOの光本が、ブラケットという会社(2018年2月1日より「ストアーズ・ドット・ジェーピー」に社名を変更)で、誰でも簡単にオンラインストアを構築できるサービス「STORES.jp」を立ち上げました。

 「売り上げは月末締め・振り込みは翌月末」でサービスを運営していたのですが、段々とオンラインストアのオーナーの中に「もっと早く振り込んで欲しい」というニーズがあることがわかってきました。

 そこで、売上金を翌日に振り込んでもらえる「スピードキャッシュ」機能を追加したんです。翌日に振り込まれる代わりに、3.5%の手数料をトレードオフとして設定したのですが、蓋を開けてみると、予想していたよりもこの機能を利用するユーザーが多くいました。これが契機となり、世の中には「即キャッシュ化」に対するニーズがあることに気づきました。

 ただ、そうした「少額資金ニーズ」を満たすには、弊社も同等の価値を持つ何かをお客様からいただく必要があります。そこで、「モノであれば何かしら持っているのではないか」と考え、「身近なアイテムを即キャッシュ化」する「CASH」の開発に着手し始めました。

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この記事の著者

富安 純人(編集部)(トミヤス スミト)

MarkeZine編集部
上智大学ポルトガル語学科卒業後、新卒で翔泳社に入社。プライベートではサッカーブログを運営し、週末は寝る間も惜しんでサッカーを観る欧州サッカーオタク。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/12/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29710

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