ReproのAI・機械学習に関する研究開発チーム「Repro AI Labs」は、集英社が提供するマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」において、アプリから離脱しそうな傾向にあるユーザーをAIによって予測し、そのユーザーの離脱を防止する実証実験を行った。
同実験のテーマは「同アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測できるか」、「予測したユーザーを離脱させないことができるか」そして「予測したユーザーを離脱させないために要したコストは、従来の方法と比較して低いか」の3点。
これらのテーマについて、同実験では次の手順で検証を行った。はじめに、同アプリへの再訪確率が低く、同アプリから離脱しそうな傾向にあるユーザー群をAIを活用して抽出した。次に、抽出されたユーザー群を実験群と統制群に分け、実験群には同アプリへの再訪を促すため、特典付きのプッシュ通知を配信。その上で、実験群のユーザーの再訪率が統制群と比較してどの程度上昇したかを比較するとともに、配布した特典の消費量といった同アプリへの再訪を促すためのコストが、従来の方法と比べてどの程度減ったのかを確認した。
同実験の結果は以下の通り。
まず「同アプリから離脱しそうなユーザーをAIで予測できるか」については、AIの予測誤差を約10%に留めることができた。
次に「予測したユーザーを離脱させないことができるか」に関しては、予測したユーザーのうち、再訪確率のより低いユーザーの再訪率が増加したことが確認された。このことから、再訪確率の低いユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することで、ユーザーの離脱を防げることが判明した。
さらに「予測したユーザーを離脱させないために要したコストは、従来の方法と比較して低いか」に関しても検証を実施。その結果、AIを用いて再訪確率が一定以下のユーザーのみに施策を実行すると、従来の方法で要するコストの85%を削減できる結果となった。なお、従来の方法で要していたコストは、特典付きプッシュ通知の配信により再訪しなくなってしまったユーザーの獲得にかかった広告費と、従来から再訪確率が高く、特典を付与しなくても再訪するユーザーに対して特典を付与し、使用されたことで発生した費用の合計とした。
同実験の結果を受けReproは、AIを活用した新サービスとして、近日ベータ版をリリースする予定だ。
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