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【一芸社員で終わらせない】今、マーケティングに必要とされる個人起点のコミュニケーション手段とは?

2019/01/28 08:00

 ネットやSNSの進化と普及により、企業コミュニケーションの手法が大きく変化し続ける今の時代。「エバンジェリスト」「オピニオンリーダー」「コミュニティマネージャー」と呼ばれるような個人を起点としたコミュニケーション手法をマーケティング活動に取り入れることも多くなってきた。名刺管理サービスを提供するSansanの「コネクタ」として10年以上のキャリアを持つ日比谷尚武氏が、今求められる組織における個人起点のコミュニケーション手法について解説する。

【日比谷 @naotake_hibiya からの提案】
組織のために個人として活動している事があれば、SNSで「#個人起点」をつけてシェアしてください。それぞれの活動とノウハウを共有していきましょう!

「みなさまへ」から「あなたのために」

 インターネットを主戦場とした情報発信方法の多様化や大小様々なメディアの登場により、個人が情報を得る手段も爆発的に増え、従来の「マス型のコミュニケーション」が機能しづらくなってきているのは、周知の事実です。個人にとって情報を取捨選択しやすくなったわけで、「限られたメディアの中から、限られた情報を選んで受け取る」世界から、「いつでも、好きな方法で、好きな情報を得る」ように変わってきているわけです。

 これは情報を届けたい立場からすると、従来のマスメディアを通じた1対nのコミュニケーションでは十分な関係性が築けなくなってきているとも言えます。情報を届けたい相手の嗜好性や状況に応じて、ドンピシャの内容を適切なタイミングや方法で届けなくては相手にしてくれない。つまり、1対1で「あなたのためにお届けしています」というコミュニケーションを構築することが求められるようになっているわけです。その結果、最近ではインフルエンサーマーケティングやコミュニティマーケティングなどの手法も注目されています。

面識のある個人からの情報が重視される

 では、なぜ個人起点の情報発信が注目されるのでしょうか? 近年、企業のコミュニケーション活動に「共感」「応援」「価値観」という言葉がよく使われるようになった背景には、ネット情報の氾濫にともない、肌感のある、顔の見えるコミュニケーションの価値が上がっているからと考えられています。

 少し古い資料ですが、2014年にMITメディアラボのアレックス・ペントランド教授が行った検証で、「SNSを使って協力を募る場合、対面で交流のある人物からの働きかけが重要である」という調査結果があります。つまり、面識のない人や会社からの呼びかけに、人は反応しにくいということです。あなたはどうでしょうか? テクノロジーが発達し、行き交う情報量が増え、コミュニケーション手法が進化したからこそ、今まで以上に対面でのつながりが重要な意味を持つようになったのではないでしょうか。

 あるニュースメディアの編集長によると、今の時代、戦う相手は競合のメディアだけではないそうです。多くの人がスマホやタブレットなどで、世界情勢から日本国内の芸能ニュース、仕事の情報、家族からのチャットに至るまで、あらゆる情報を受け取っています。手元に届く情報は、パブリックとプライベートの垣根がなくなってきているわけです。どの情報を重要視するかはケースバイケースかもしれませんが、多くの人は「関係性のある相手」からの情報を重要と考えるのではないでしょうか。その編集長は「メディアとして大上段に構えていては伝わらない。読者の隣に寄り添って、身近な距離感、視点から情報を届けないと受け取ってもらえない実感がある」と語っています。

 情報が多く流通しているからこそ、「面識のある個人からの情報」が重視されるようになってきており、情報を確実に届けるためには、相手と1対1の関係作りを目指すことが求められていると言えます。そして、その役割を担うのがエバンジェリストなどと呼ばれる存在です。組織内でそういった活動を行いたいと考える個人も増えています。しかし、それが突然変異的な“一芸社員”による勝手発信活動で終わってしまっては意味がありません。組織の役割としてミッションを持って活動することが求められています。

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