ただのバズで終わらない、SNSでの話題化を考える
こんにちは。スパイスボックス シニアプロデューサーの咲本明宏です。今回はいつも執筆している森竹に変わり、私が担当させていただきます。
その時々の時流に合わせ、各コンテンツがシェアされる理由を分析してきた本連載。過去の記事では、企業プロモーション事例のほか、映画や音楽、政治など幅広い分野のコンテンツがソーシャルメディア上でどのようにシェア拡散され、生活者からどのように反応されているのかを解説してきました(前回記事はこちら)。
今回は、ブランドのタイプ別にSNS上での戦略的な話題化の方法、それを新規顧客獲得につなげるための手法について考察します。
4タイプで整理する、ブランドのSNS活用の今
今ではすっかり私たちの生活に浸透したSNS。マーケティングの視点で見ても、SNS上で情報がシェア拡散(エンゲージメント)されることで、新規顧客の獲得や売上アップに成功した事例が数多く生まれています。
中でも最近多いのは、商品発売前に「SNS上で商品を話題化させる」ことをゴールに、逆算して商品やキャンペーン設計を行って成功した事例です。具体的には、各商品の関連情報を事前に提供。話題を作って購入を促すことで、リアルの行動(購買)とSNS上での行動(シェア拡散)を上手につなげるというもの。
なぜ、このような施策がうまくいくのでしょうか。それは、自社ブランドの商材が持つ特徴を踏まえ、SNSを最大限活用したからです。今回は、こうした成功事例を参考にしながら、ブランドタイプ別にSNSの活用法を解説していきます。
まずは、ブランドを特徴別に整理したいと思います。下記は「ソーシャルアクティブ度」と「ブランドスイッチ頻度」を軸に、ブランドを4タイプに分類した図です。これをもとに、次ページからソーシャルアクティブ度の高低別で大きく変わるSNS活用の特徴、そして各ゾーンのブランドに求められるSNS活用について紹介します。
ソーシャルアクティブ度とブランドスイッチ頻度とは?
・ソーシャルアクティブ度
SNS上でどのくらい話題になりやすいかを表す。各ブランド(著者が任意で選出したメーカー、サービス、アミューズメントなど各業界の主要ブランド)が2017年12月から2018年11月までの1年間にSNS上に投稿したコンテンツの「投稿数」+「エンゲージメント数」を算出し、その数値を12で割って月間平均値を算出。月間平均値10,000を中央値としている。スパイスボックスのソーシャルリスニングプラットフォーム「THINK」で計測。
・ブランドスイッチ頻度
SNS上の話題によってどのくらいブランドスイッチが起きやすいかを表す。商材の「価格」と「検討期間」を指標に定義しており、「価格=5万円以内」と「検討期間=1ヵ月以内」を中央値とした。