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CM超えの成果をTwitterで実現!「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙 2018」が成功した訳

共感に必要なのはブランドの人格化

 誰でも参加できるよう、明治と読売広告社ではどのようなプランニングを行ったのか。これまで両社では、コミュニケーションを取る際に商品のおいしさや食べ方などの“物性”を訴求することが多かった。ただ、ロングセラー故に、誰もが知っている物性や新たな物性を掘り下げていくだけで共感は長続きしないと考えた両社は、“ブランドの人格化”を進めることにした。人間らしさをブランドに出して、Twitter利用者に触れ合ってもらい、共感を得ようと考えたのだ。

 そこで行ったのが、「きのこ党」「たけのこ党」「どっちも党」という、3つのTwitterアカウントの同時立ち上げだ。「きのこ党」「たけのこ党」は既にブランドキャラクターとして使われていた「きの山さん」「たけ里ブラザーズ」を、「どっちも党」には新たに用意した「キノ・タケコ」というキャラクターを党首に据え、生活者接点としながらもキャラクターではなく、各商品そのものがユニークな“人”だと感じてもらえるよう意識をした。

 「物性や商品スペックではなく、そのブランドや企業の中の人の想いに共感が生まれると思っています。今回であれば、それぞれの党のファンの方に、”マニフェスト実現を心から楽しんでもらいたい。”という各党や明治さんの想いです」(内田氏)

 各党の支持者への情報伝達やユニークなマニフェストの紹介はもちろんのこと、ファン同士の対話の発生を促すような内容のツイートも日々行われた。また、キャンペーン立ち上がりのときにはプロモツイートでCM動画への接触を促進し、カンバセーショナルカード&オートリプライを用いて各党へ投票を求めるなど、要所で広告メニューも活用していった。

 さらに、Twitterの声を傾聴しながらリアルタイムに施策を行うべく、明治と読売広告社、Twitter Japanの3社は「国民総選挙対策委員会」を発足。2週間に1度、情報共有会を開くようになった。

 中間投票結果で、「きのこ党」が「たけのこ党」に100万票以上の差をつけられたときには、柔道家でタレントの篠原信一さんを、きのこ党の党員「きのはら信一」として特設サイトで特別放送を実施。「#きのこ党へのりかえキャンペーン」と称し、高級肉やオリジナルジュエリーをプレゼントするというあえて露骨な内容をおもしろく伝え、キャンペーンを盛り上げた。リアルタイムな施策を実行することで、ファンの反応も良かったという。

中長期的な話題作りで勢いをキープ

 今までは、単発的な露出で話題を作る短期的なプロモーションとなっていた。もちろん売上も露出に比例していた。であれば、今回のキャンペーンは中長期的に話題を作り、プロモーションそのものをロングテール化すること。5ヵ月と長期にわたり実施し、いかに話題を継続して作っていくかが課題となっていた。そのため、施策や話題の切り口は、タイムリーかつ意図的に作っていったという。

 序盤で言えば、総選挙委員長に「嵐」の松本潤さんを起用した新CMや、明治が公式できのこたけのこ論争に参入したこと、ユニークなマニフェスト、著名人や企業を巻き込んだ選挙活動などで盛り上げを図った。

 中盤にも、必死すぎるきのこ党の挽回劇、露骨なプレゼントキャンペーン、篠原信一さん必死の特別放送などのユーモアあふれる話題作りで、Twitter上の会話量を増大。

 そして投票結果発表後の終盤には、たけのこ党が勝利したと松本潤さんが結果発表したり、新CMをOA・配信したり、実際にマニフェストを実現したりと定期的に話題を提供し、キャンペーンの勢いを落とすことはなかった。

 最初の1ヵ月で商品・キャンペーン関連のツイートは200万以上も集まり、商品周辺の会話の全体ボリュームは約2,000万ツイートまで増加した。

 「総得票数も1,600万に近い票をいただき、知名度やスケール感においても国民総選挙と呼べる施策にできたのでは」と内田氏も評価した。

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広告・宣伝費を超えた効果で高い売上を実現

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/05 16:44 https://markezine.jp/article/detail/29885

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