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リゾームマーケティングの時代

変化を見せる海外マスメディア 日本も強固なビジネスモデル構築を急ぐべき

 マスメディアが自社の定義を変えざるえない局面が訪れている。日本の文化を育んできたのは、テレビ、新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアであることは疑う余地はないが、ビジネスモデルが脆弱だ。強固なビジネスモデルを作りあげることこそ、次世代へも影響力を残すことができる。

消滅しつつある、マスメディアという存在

 「脱皮できない蛇は滅びる」とフリードリヒ・ニーチェは言った。その言葉の通り、マスメディアが生き残りを賭けて脱皮を始めている。

 CNNをはじめとして、多くのマスメディアが自分たちのことを「もはやマスメディア(テレビ局)ではない」と定義し始めている。そして、おそらく、NHKもそうに違いない。意識しているかどうかは別として、NHKが同時配信を始める背景に、その誘因となる社会の変化があるはずだ。

 その社会の変化とは、ドイツ政府の「インダストリー4.0」や日本政府の「Society5.0」のことであり、この連載で論じている「リゾーム化社会」につながる。Society5.0とは何か、内閣府のサイトからの引用が以下だ。

「Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)ですべての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出す」(内閣府サイト「Society 5.0」より引用)。

 「すべての人とモノがつながる社会」、それは、コミュニケーションビジネスのあり方を変革する。

 マスメディア全盛時代、すべての人やすべての家庭のテレビ端末に接点を持ち得たのは、マスメディアだけだった。つまり、マスメディアは、独占的な地位に君臨していた。それが今は、すべての個人がすべての個人に、理論的には、接続可能になった。

 コミュニケーションのあり方が、完全に変わったのだ。そして、マスメディアの社会的な存在意義、社会的な役割は失われつつあり、社会の変化がその存在意義やビジネスモデルに、変革を迫っている。

 そのような変化を受けて、たとえば、CNNは自分たちのことを「もはやテレビ局ではない」と定義している。

自社をテレビ局ではなくマルチメディア企業と定義

 『メディアは『広告媒体』から脱却すべき — CNN広告営業トップが提言』(アドタイ)という、2018年1月の記事で、CNN International Commercial の アジア太平洋広告営業上席副社長 Sunita Rajan(スニータ・ラジャン)氏が、そのことを明確に言及している。

「我々は、自社を『テレビ局』ではなく『マルチメディア企業』と定義しており、テレビもデジタルもソーシャルメディアも、またデスクトップもモバイルも、我々にとって重要な資産と捉えている。さらに、CNNはFacebookやInstagram、LINEといったプラットフォームを通して、自身のソーシャルメディアでの存在感を積極的に高めている。」(アドタイより引用

 CNNのスニータ・ラジャン氏は、そのコンタクト戦略やデータ戦略の重要性についても語っている。記事によれば、広告収益を高めていくためには、現在のブランド広告主のニーズに合わせて、消費者との深いエンゲージメントを提供する必要がある。そのために、メディアは、広告主が消費者と「つながる」ための様々な場・方法を用意しなければならない。

 それを実現するために、CNNは、オーディエンスと「いつでも」「どこでも」「様々な形で」つながることを重視した結果、もはや、自社を「テレビ局(=マスメディア)」とは定義していないとのことだ。

 そして、そのためには、ファーストパーティデータ(オーディエンスデータ)をフル活用しているようだ。

「CNNのWebサイトの月間UU数は2億6900万人で、SNSのフォロワー数は1億4600万人にのぼる。そうしたオーディエンスデータを活用し、居住地域や性別・年齢・職業などの属性、また行動履歴などによってセグメントすることで、適切なオーディエンスに、適切なプラットフォームを使って、適切なタイミングで、適切なコンテンツを届けることができ、それはブランドと消費者とのエンゲージメントを効率的・効果的に高めることにつながるのだ」(アドタイより引用

 CNNのように、自社のことを「もはやマスメディアではない」と定義して、生き残りをかけて戦っている「マスメディア」は他にもある。創刊から113年の歴史がある『婦人画報』をはじめ、『25ans(ヴァンサンカン)』『ELLE(エル)』といった多数の雑誌媒体を展開するハースト婦人画報社も、その一つだ。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

zonari合同会社 代表執行役社長/株式会社ビービット マーケティング責任者/電通総研パートナー・プロデューサー/アタラ合同会社 フェロー早稲田大学政治経済学部卒。 1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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