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EC化率43%のナノ・ユニバースが、今「リアル店舗」を重視する理由

2019/01/21 09:00

 急激にEC化が進むなか、「リアル店舗」に求められる役割はどう変化していくのだろうか? 本連載では、リアル店舗のデジタルマーケティング支援を行うPatheeの原嶋宏明氏が業界キーパーソンを訪ね、「リアル店舗におけるデジタル施策」や、これからの「リアル店舗の役割」について意見を交わしていく。第一回となる今回は、ナノ・ユニバースの越智将平氏の元へ。EC化率43%を実現した同社は、今「店舗を起点においた施策」に注力しているという。その真意とは?

目指すのは「店舗起点」の購買体験

株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏(写真左)/株式会社Pathee ソリューション事業部 原嶋 宏明氏(写真右)
株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏(写真左)
株式会社Pathee ソリューション事業部 原嶋 宏明氏(写真右)

原嶋:昨年Instagramに「Shop Now」が登場するなど、近年アパレル業界の購買接点は、すごく増えてきていますよね。そんななかで、ナノ・ユニバースさんとして目指されている、「理想の購買体験」とはどのようなものなのでしょうか?

越智:ナノ・ユニバースでは、元々EC戦略を重点的にやっていて、現在EC化率は43%まで来ています。ただ、それが理想的な形であるかと言われると、決してそうではありません。僕たちが目指しているのは、店舗とECの両方で購入体験をしていただく「クロスユース」を増やしていくこと。そして、その起点は「店舗」に置きたいと考えています。店舗からECへ行ってもらい、また店舗に帰ってきてもらう。このサイクルが生まれることが理想ですね。

原嶋:起点は「店舗」なんですね。サイクルを生むために、どのような施策を実施されているのでしょうか?

越智:店舗スタッフの力を借り、店舗で購入してくださったお客様に、必ず「ナノ・ユニバースのアプリ」をダウンロードして貰うようにしています。

原嶋:アプリではどのようなことを?

越智:商品の紹介はもちろん、シチュエーション毎のコーディネートや、ファッションの歴史など、様々なコンテンツを掲載しています。スタッフの協力もあり、このリアル店舗(オフライン)からアプリ(オンライン)への誘導は比較的スムーズに行うことができるようになってきています。今取り組んでいるのは、「アプリからリアル店舗へもう一度戻す」仕組みづくりです。

まずは「来店」自体に価値を持たせる

原嶋:具体的な取り組みを伺えますか?

越智:ナノ・ユニバースの全店舗にビーコンを置いていて、アプリをインストールしたお客様が来店すると、ポイントが貯まるというサービスを展開しています。まずは来店自体に意味をもたせたかったので、購入の有無にかかわらずポイントが貯まる仕組みにしています

 元々は、ナノ・ユニバースの店舗に来店した時のみのサービスだったのですが、昨年12月に機能をアップデートし、チェックイン連携店舗を増やしました。これにより、カフェなどの提携店舗でもポイントを貯めることができます。

原嶋:店舗以外でも貯まるというのは新しいですね。

越智:ブランドアプリは、ニュースやゲームアプリと違って、アクティブ率を上げるのが難しいので、アプリとの接点を「お客様の生活のなかで増やすこと」が重要なんです。

 アプリでは、お客様が店舗の近くに来た際にプッシュ通知を送る「ジオターゲット広告」も行っています。同様の施策を行っているところは他にもありますが、当社では「アプリでお気にいり登録した商品が、店舗在庫にある」時にのみ、プッシュを行うようにしています。そうすることで、お客様にとっても意味のある通知になるので、「ちょっと寄ってみようかな」と思っていただくことができます。

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