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はじめまして、草皆です。私が所属する24-7では、企業のMAツールの導入支援から、集客~顧客化に至るまでのマーケティング戦略立案や施策の実行・運用を、日々支援しています。本連載では私たちが日々運用を行うことで得た知見を基に、読者の皆さんにもご活用いただけるよう、できるだけ噛み砕いて説明していきます。
今回は、まずMAツールの現在の市場状況を振り返ってみましょう。後半では「売り上げ効果はあるの? 」「使いこなせず放置してしまっている……」といった、よくあるお悩みを取り上げます。
集客から顧客化まで トータルに活躍するMAツール
MAツールとは、メール配信などのマーケティング施策の一部を自動化するツールを総称したもの。その機能は幅広く、自社Webサイト(オウンドメディア)から見込み客情報(リード)の獲得、獲得したリードの選別、選別したリードに対する接触(コミュニケーション)、商談化までの一連の流れを支援してくれます。
MAツールが日本で注目されるようになったのは、今から6年ほど前の2013年ごろ。当時は、MarketoやHubSpotに代表される外資系大手ベンダーのツールが日本に本格参入し、大手企業を中心に導入が進んだほか、最新のマーケティングテクノロジーに詳しいマーケターや経営者からの注目を集めました。
最近は、シャノンマーケティングプラットフォームやb-dashといった国内ベンダーによる製品リリースが相次ぎ、海外MAツールも日本語に対応するなど、市場は拡大しています。安価なプランの登場によって、ツール導入の敷居も下がっており、中小企業での導入も活発化しています。
MAツールは「魔法の杖」ではない
ところが最近、2013年ごろから注目されたMAツールに対して「高価なメルマガ配信ツールに過ぎなかった」といった懐疑的な声が聞かれるようになっています。この背景には、日本市場に登場した当初、あたかも導入すれば売り上げが伸びる「魔法の杖」のように謳われたことがあります。MAツールは導入さえすれば、効果てきめん、売り上げ向上、というものではないのだということを、理解する必要があります(そもそもそんなツールは存在しないと思います)。
実は、期待が膨らんだ後に否定的な意見が増えるのは、MAツールに限ったことではありません。ガートナーは、新しい技術の成熟度、採用度、社会への適用度について「ハイプサイクル」という概念を提唱しています。
黎明期:新しいテクノロジーが登場したばかりのタイミング。関心・注目度が高い
過度な期待のピーク期:テクノロジーの導入が進むが、期待が過度に高まる段階
幻滅期:過度な期待がはずれ、テクノロジーに幻滅し、関心が失われていく段階
啓蒙活動期:過度な期待ではなく、啓蒙により技術が実情に合った形で理解され、徐々に根付いていく段階
生産性の安定期:テクノロジーが認知され、一般的に受け入れられるようになり安定して利用される。さらにテクノロジーが進化して発展していく段階
MAツールをこのハイプサイクルで考えてみます。日本に紹介された2013年、MAツールは一部の先端的なマーケターたちから注目され、その後メディアなどで多く取り上げられることで、期待が高まりました。「導入すれば売り上げが上がる」といった考え方は、この過程で生まれたものでしょう。
そして現在は「過度な期待」のピーク期を過ぎ、関心が薄まる幻滅期にあると考えられます。ツールとしての魅力がなければ、このまま消えてしまうこともありえますが、MAツールはそうではありません。その特長や運用のコツをしっかりと捉えれば、MAツールほどマーケティング施策の効率を高められる有効なツールはありません。
幻滅の理由はその活用方法にあります。使い方さえ間違わなければ、MAツールの機能は多くの企業をプラスに導くでしょう。
では、日本市場におけるMAツールの現在地を確認いただいたところで、早速お悩み相談に入りましょう。