商品開発のはじまりはファンの声
回答者:
岩下食品 代表取締役社長 兼 「岩下の新生姜ミュージアム」館長
岩下 和了(いわした かずのり)氏
――はじめに、『岩下の新生姜Tシャツ』がどういった商品なのか教えてください。
岩下:『岩下の新生姜Tシャツ』は、「岩下の新生姜 80g」の商品パッケージを、そのままTシャツ全面に印刷したものです。このTシャツを着るだけで、まるで「岩下の新生姜」になった気分が味わえる「岩下の新生姜・愛」に満ちたアイテムと言えます。
――どういった経緯で『岩下の新生姜Tシャツ』を開発することになったのでしょうか?
岩下:弊社が運営している「岩下の新生姜ミュージアム」では、開館以来、様々なオリジナル商品を販売してきました。その中には、「岩下の新生姜」をモチーフにお洒落なデザインを目指したTシャツもあり、好評をいただいていました。
しかし、「岩下の新生姜」に愛着を持ったファンの方々からは、「もっとダイレクトに、『岩下の新生姜』のロゴをそのまま入れたデザインでTシャツを作ってほしい」という意見がTwitter上で多数寄せられていました。そこで、シンプルなピンク地に「岩下の新生姜」のロゴを入れる方向で、Tシャツ販売を検討したのがはじまりです。
毎月1回、弊社では「岩下の新生姜ミュージアム」プロジェクトチームと、ミュージアムやオンラインショップの新商品、コラボレーション企画などについての会議を行っています。そこで出たTシャツ案の中に、ロゴだけでなく、パッケージ全面をプリントするという案がありました。発案したメンバーは、「シンプルなデザインの対極にあたるような、『岩下の新生姜』のパッケージを忠実に再現したものをラインアップとして追加したら、ファンの方にさらに喜んでいただけるのではないか」と考えたそうです。
Twitter上の反応で発注数を決定
――ネット上で『岩下の新生姜Tシャツ』が話題になったきっかけは何だったのでしょうか?
岩下:デザイン自体に強烈なインパクトがありますので、コアな「岩下の新生姜」ファンの方々に喜んでいただける可能性は感じていました。
ただ、パッケージ全面をプリントする場合はTシャツの原価も高くなり、一般的なTシャツと比べると高単価とせざるを得ません。また、製造枚数が少量であれば、一枚あたりの製造コストもさらに上昇します。そのため、会議の場では、「これでは十分な販売数が見込めないのではないか?」という懸念がありました。
そこで、まずは直接、お客様の意見をTwitterで聞いてみることにしたんです。購入の意向がある場合は「RT」、ない場合は「いいね」をしてもらう旨のツイートを投稿しました。すると、そのツイートが拡散され、今回の話題につながりました。「RTされた数だけ発注する」と宣言していたので2日後には締め切りましたが、その時点で既に4,000RTを超えていましたね(以下、岩下 和了さんのTwitterより)。
★【お願い】企画会議で「あなたも岩下の新生姜になれる!岩下の新生姜Tシャツ」の案が、社員から…。予価4,800円。私は、いくらなんでもこれはないだろうと思い、激論。ツイッターで調査させて下さい!
— 岩下 和了 (@shinshoga) 2018年10月3日
「買う!」はRT、「無理!」はいいねを下さい。
RT頂いた数だけ、発注します!(10/5 14時迄) pic.twitter.com/6cVTUWAjM9