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ネットで話題になるとどうなる?担当者が語るビフォーアフター

「誰かに自慢したくなる」パッケージで話題化&認知拡大/インスタント味噌汁『みそまる』の商品戦略

「誰かに自慢したくなる」のがネットの特徴

――ネット上で『みそまる』が話題になったきっかけを教えてください。

藤本:『みそまる』を買っていただいた方のあるツイートで反響を呼びました。ただ、それだけでなく、多岐にわたる場所でのイベント活動や朝日新聞の「天声人語」で取り上げられたことで、新聞紙各社やテレビ・ラジオ各局からのオファーも増えました。知名度は一気に上がったように感じています(以下、「愚鈍」さんのTwitterより引用)。

――ネットで話題になるように御社のほうから仕掛けたことはあるのでしょうか?

藤本:特別弊社から仕掛けたということはありません。『みそまる』特有のビジュアル性・簡便性の高さが、ヘルシー志向の高まりをはじめとする世の中のニーズにマッチしたからこそ、ネットで話題になったのだと思います。

 あとは、「家にあるもので簡単につくれる」「便利なので他人に教えたくなる」という流れが上手くできたのもネットで拡散された要因ではないでしょうか。「誰かに自慢をしたくなる」というのは、ネットが持つひとつの特徴です。『みそまる』に共感してくれた方々が、「いいね!」するだけではなく、発信源となってくださるのですから、味噌の普及を仕事にしている私としては、ただただ感謝です。

 その他、「仕掛け」という言葉には当てはまらないかもしれませんが、「味噌」以外の業界へのアプローチや、様々なインフルエンサーとの連携は、味噌の伝え方としては新しいのではないかと思います。

――『みそまる』はどこで購入できるのでしょうか?

藤本:弊社のWebサイトから購入可能です。また、百貨店のお中元やお歳暮などのカタログ販売、一部では催事やイベントでも販売を行っています。

認知の大幅な拡大を実感

――ネットで『みそまる』が話題になる前と後でどういった変化がありましたか?

藤本:まず、今までは味噌に関心を持っていなかった特に若い人たちに、味噌の魅力を伝えられたと思います。また、一部では「味噌の売り上げに貢献してくれてありがとう」と言ってくださる味噌屋さんもいて、嬉しく思います。

 その他にも、日常のネタを扱うネットメディア『IRORIO(イロリオ)』などでも取り上げられました。こうした効果からか、見ず知らずの方であっても「『みそまる』を知っている」「愛用している」と言う方に出会うことも増えてきました。ネットを起点に、『みそまる』の認知が拡大しているのを感じています。

――実際に『みそまる』を購入した消費者さんからは、どういった意見があるのでしょうか?

藤本:「かわいいだけでなく、本格的な味がする」「普段味噌は一種類しか買わないので、色々な味が楽しめて楽しい」といった声をいただいています。また実際に、結婚式の引き出物や母の日、誕生日、結婚祝い、バレンタインなどで購入してくださった方からは、「サプライズになった」と喜びの声をお聞きします。

 初めて目にするときはチョコレートだと思われる方がほとんどですが、商品にはしっかりと説明書を添えていますので、今のところ「誤ってそのまま食べてしまった」などのクレームなどはありません。イベントではお客様が殺到し、誤ってそのまま口にしてしまう方が数名いましたが、クレームというより、むしろ笑いを誘って、場が盛り上がりましたね。

――おしゃれを意識した『みそまる』のパッケージや、「ミソガール」としての活動は女性目線でのアプローチ方法かと思います。

藤本:これまでは女性の視点を大事にしてきましたが、実は男性からの反響も想像以上に多いです。味噌から、「お母さん」「ふるさと」などを想起するからなのか、思い入れのある男性が多いと実感しています。

 女性向けの「かわいい」「おしゃれ」といった路線は、私の経験を生かして自然に生まれたものです。ただ、今はもう「料理は女性のもの」という時代ではありませんよね。味噌は、食材のうまみを引き出し、味をととのえる働きがあることから、男性にも万能調味料としてお使いいただけたらいいなと思います。男性目線のこだわりの味噌や味噌料理など、新たな提案ができたらと考えています。

――どうもありがとうございました。

 少子高齢化が進む日本では、消費財関連の市場は減少傾向にあります。こうした現状を打開するために、既存の売り方や見せ方ではなく、全く違う角度での売り方や魅せ方を試行錯誤している企業は多いのではないでしょうか。単なるインスタント味噌汁ではなく、「かわいい」という見せ方をすることで注目を浴びた『みそまる』。あらゆる角度から物事を多面的に見ることは、マーケターに限らず、多くのビジネスパーソンにとって必要不可欠な時代になっているようです。

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6PAC(シックスパック)

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2019/03/07 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30463

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