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SaaS時代のビジネスを問い直す『THE MODEL』が得た大きな反響【4/5出版記念イベント開催】

 Marketoを日本に定着させた福田康隆さんの著作『THE MODEL』は、マーケティングと営業の融合だけでなく、SaaS時代の市場戦略や新しいリーダー像にも触れた、これまでにない内容となっています。幅広い読者を獲得している本書の反響について、あらためて福田さんにうかがいました。4月5日には刊行イベントも開催予定ですので、ぜひチェックしてください。

予想を超えて多くの反響が

――『THE MODEL』本書は今年の1月末に刊行してから増刷を重ね、MarkeZine BOOKSとしても今までとは違う広がり方をしているなと感じています。刊行のタイミングもよかったのかもしれません。ちょうどカスタマーサクセスやインサイドセールスへの注目が高まり、特にBtoBの領域でマーケティングと営業を融合させていこうとする風潮が盛り上がってきている時期でした。

福田:そうですね、刊行が1年早ければ反響の大きさは違った気がします。「THE MODEL」という言葉や考え方はまだまだ世の中に浸透しているわけではありません。ですが、この1、2年でBtoBのスタートアップが注目されるようになり、投資意欲が高まっています。すでにこうした考え方を取り入れて実践している企業も増えつつあったのでしょう。そういう下地のあるところに本書が登場した。これが1年早くても遅くても、こうはならなかったかもしれません。

アドビ システムズ専務執行役員 マルケト事業統括 福田康隆氏
アドビ 専務執行役員 マルケト事業統括 福田康隆氏

――発売されてから、福田さんのもとにはどんな感想が届いていますか?

福田:「THE MODEL」という言葉自体はじめて聞いたという方、なんとなく知っていた方、すでに自社のビジネスで実践している方、そうした様々なフェーズにある人たちがそれぞれに読んでくださっていると感じています。

 企画段階で、なるべく多くの方にとって役立つ本にしようと思っていたものの、このテーマ、切り口が、どれくらいの方に理解していただけるのかは不安がありました。BtoBやSaaSに携わる方はもちろんですがそれを超えて広がっていってほしいと思い、汎用性、再現性のある内容を書こうと努めました。結果としてはIT業界はもちろん、それ以外の意外な業界の方からも反響があり、お会いしたことがない方からも「ぜひ感想を伝えたくて」とメールやfacebookでメッセージをいただきました。思った以上に読まれていて、驚きと嬉しさが入り混じっているというのが率直な感想です。

 電子書籍版では、何人がどの文章に線を引いたかがわかりますよね。それを見ていくと、第5章「分業の副作用」の「人間はグループに分けられたとたんに敵対しやすい生き物であるということ」という部分に注目が集まっていました。解説されているプロセスを自分たちに当てはめて活用するノウハウ本として読まれると想定していたので、こうした人や組織に焦点を当てた部分に多く共感いただけたのは予想外でしたし、嬉しかったですね。

精緻なプロセスにも「ゆるみ」が必要

――本書のサブタイトルにある「マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの分業プロセス」については第3部で詳細に解説されています。

福田:この章で説明しているプロセスは万能ではありません。一般的なSaaSのビジネスで行われているプロセスをもとに解説していますが、同じSaaSの中でも製品特性や顧客層によってやり方は変わります。ただ、最大公約数的なものにとどめてしまうと、内容が浅いものになってしまうので、特定のものでも深掘りして、読者がそれを自社にどう当てはめるかの参考にしてもらえればという狙いがありました。実際、自社のビジネスに合うようプロセスを最適化しているという声や、読書会を開いたり、自社のフレームワークの参考にしていると言ってくれる方もいます。

 先日開催した講演会では「このプロセスを実行しようとすると、営業部門がデータを正しく入力することが必要になると思います。しかし、まさにそこに課題を感じているのですが」という声がありました。実際に多くの企業が同様の課題を抱えていると思います。そもそも営業部門に限らず、正しくデータ入力したり、タスク管理できる人が世の中にどれだけいるでしょうか。商談情報の更新ひとつとっても、徹底させるのがどれだけ大変かを実感しますし、多くの場合、報告内容も担当者の主観が入り、担当営業とマネージャーでは解釈がまるで違うことなど日常茶飯事です。

 本書で解説したプロセスを運用するときは、「そもそもうまくできるとは限らない」という発想が必要です。プロセスを考えて作り込み、その通りに動かそうとすればするほど現場の担当者はストレスが溜まります。プロセスを動かすのは人です。プロセスそのものよりも、プロセスに携わる人たちにどう動いてもらうか、それを考えることのほうが大切だと考えています。

 かっちり決めたプロセスやKPIはきれいではありますが、それだけでは現実には運用は難しい。そこに「緩み」を持たせることが重要です。家具を組み立てるときもネジを締めすぎると壊れてしまいます。多少緩みを持たせながら、少しずつ調整していく。フレームワークや組織を動かすときも、同じだと考えています。

――福田さんご自身は、いつ頃からそれを意識されるようになったのでしょうか。

福田:マネジメントを経験するようになってからだと思います。インサイドセールスやフィールドセールスなど複数部門を見ていると、組織のつなぎ目で起きていることも見えるようになります。人の感情も重要な要素で、人間は機械ではない。プロセスやルールを無理に当てはめようとするやり方は決してうまくいかないという事を経験から学んだと思います。

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本書をきっかけに問い直すことで、大きな可能性が見つかる

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア部門 メディア編集部 部長/統括編集長1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、『MarkeZine(マーケジン)』の立ち上げに参画。2006年5月のサイトオープン以降、MarkeZineの企画・運営を一貫して担当。2011...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/27 10:39 https://markezine.jp/article/detail/30642

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