20・30代女性をコアターゲットに設定
――はじめに、「澪(みお)」のコミュニケーション戦略について伺えますか?
白川:「澪」は、2011年より販売を開始したスパークリング清酒で、爽やかな泡とやさしい甘みが特徴です。発売当初は、「『澪』でスパークリング清酒という新たな市場を創造する」という意志のもと、コアターゲットを20・30代女性に設定。「これが、私の新しい日本酒」というメッセージとともに、日本酒の既存イメージである「男性向け」「渋い」「重厚さ」などとは異なる、「おしゃれ」「和モダン」というイメージを前面に打ち出しました。
白川:2016年からは、新しい日本酒という「イメージ訴求」のステップから次に進み、「実飲用を獲得する」ためのコミュニケーションを開始しました。具体的には、日々のあらゆるシーンのなかで楽しく「澪」を飲んでいただけるよう、「澪パ(澪パーティー)」というメッセージを打ち出し、FacebookやInstagramで「澪パ」の様子や日本酒のミニ知識、レシピなどを紹介していきました。
「ブランド鮮度」の向上を目指して
――コアターゲットが20・30代女性ということで、SNSを中心にコミュニケーションチャネルを設計されていったのでしょうか。
白川:ブランドを立ち上げてからしばらくは、マス広告に加え、ターゲットが集まるイベントへのブース出展など、実際に「澪」を飲んでいただき、そのおいしさを体感いただく施策を中心に行ってきました。その後スマートフォンの普及が大きく進んだため、Facebook、Instagram、LINE、TwitterといったSNSを活用した広告戦略を強化していきました。
――では今回、「澪」のプロモーション施策において、GIFを選んだ理由や狙いを教えてください。
白川:2019年2月、「澪」のブランド鮮度を向上させ、さらに成長させていくことを目的に、大幅なデザインリニューアルを行いました。あわせて、「新、澪。」という新たなメッセージを打ち出し、コミュニケーションを開始しています。
GIF活用に至った一番の理由も、「ブランド鮮度を向上させる」ためです。「『澪』は何か新しい、おもしろいことをやっているな」という情報を絶えず発信することで、「常に前に進み続けているブランド」というイメージをもってもらいたいと考え、施策の一環として、昨年10月よりTwitter上でのGIF活用に挑戦することにしました。
発売から8年目を迎えた「澪」は、おかげさまで幅広い年代の方にご愛飲いただいていますが、20・30代がコアであるという点は変わっていません。彼らはお酒に関しては比較的ライトな方々が多く、「これ!」といったものに限らず、別のお酒も試しながら楽しむ傾向があります。そのような方に選び続けてもらうためには、「『澪』は自分のためのお酒だ」と思ってもらうことが必要なのです。