博報堂は、中国の消費リーダー層を「中国パワー生活者」と名付け、2003年から調査を行ってきた。今回は消費の先端都市である上海のパワー生活者に注目し、世帯月収6,000元以上の25~44 歳の男女400名のデータを分析、日本の25~44歳の男女442名のデータと比較した調査レポートを公開した。日本のモニターの月収については明らかにされていない。
「パソコンインターネット」の利用が日本を上回る
まず、主要な情報メディアへの接触度について尋ねたところ、「パソコンインターネット」へ週4日以上接触しているパワー生活者は約8割で、日本の48%を大きく上回っている。その他、「雑誌」「録画番組の再生」の接触度でも日本を大きく上回っている一方、「テレビ」については週4日以上の接触が中国では76%なのに対して、日本では9割を超える結果となっている。
各情報メディアへの接触時間について尋ねると、中国では「パソコンインターネット」への平均接触時間は3.67時間で、日本の1.01時間の3倍以上。この傾向は、その他のメディアについても同様だが、「テレビ」に関しては中国の接触時間1.76時間なのに対して、日本の接触時間は2.48 時間で大きく上回っている。
中国パワー生活者はBBS、ブログSNS、ホームページを政局的に活用しており、「ウェブサイトを閲覧」が中国は90%なのに対して日本は71%、「自分のブログを更新」が中国の61%に対して日本は8%となるなど、全般にインターネットメディアの利用が日本を大きく上回っている。また、インターネットを通じたコミュニケーションに関しても積極的で、「直接話すよりもチャットやSMS、Eメールの方が気楽にコミュニケーションできる」という人は、日本の20%に対して、中国は64%となっている。
メディアは信頼するが、店員、カタログ・パンフレットは重視しない傾向
中国パワー生活者が「情報が信頼できる」と評価するメディアについて尋ねたところ、「テレビ」が56%で、「インターネット」の39%を大きく上回っている。その他、「新聞」を除き、中国パワー生活者の情報メディアへの信頼度は日本を上回る結果となっている。
また、デジタルカメラの保有者に商品情報をどこから得たかを尋ねたところ、「テレビ番組・CM」(69%)、「雑誌記事・広告」(67%)、「新聞記事・広告」(55%)がトップ3。「4媒体」「ポータルサイ
ト」「家族・知人の話」「屋外広告」なども日本上回る結果となり、積極的に活用されていることが明らかになった。
しかし、中国パワー生活者は、多くの情報メディアを情報源として活用しているものの、「販売店やショールーム」「店員」「カタログ・パンフレット・ポスター」の活用度は大きく日本を下回っているのが特徴的で、ややメディア偏重の傾向があるようだ。
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・「中国パワー生活者」の情報生活調査」(PDF)