急速に進む、ソーシャルメディアの動画シフト
本格的な5G時代の到来が迫り、ますます注目が集まる「動画」市場。今後のコンテンツマーケティング、中でもソーシャルメディアマーケティングの成功には、「動画コンテンツ」が欠かせない存在となりそうです。
ソーシャルマーケティングツールを提供するBuzzSumoの最新調査によると、Facebookの投稿コンテンツのなかで、最もユーザーエンゲージメントを獲得できるものは「動画(Video)」であり、「写真(Photo)」や「Webページのリンクをシェアする投稿(Links)」は、動画コンテンツの半分、またはそれ以下の効果とされています。
ある出版社の事例では、2017年から2018年にかけてFacebookからWebサイトの参照トラフィックが87%も下落したと言います。最新記事のリンクをFacebookに投稿するという施策を継続して行っていたそうですが、マーケティング効果は以前の約1/10まで低下したのです(出典:Slate’s Facebook traffic has dropped by 87 percent since 2017. | NiemanLab)。
数年前には「Webページのリンクをソーシャルメディアでシェア・拡散させ、大量のトラフィックを獲得する」といった成功事例もありましたが、最近ではあまり耳にしなくなりました。原因としては、Facebookユーザーの態度変容(リンクのシェアよりも動画のシェアを好むユーザーの増加)や、Facebookのアルゴリズム変更などが考えられます。先進的な米国企業はこうした変化を踏まえ、Facebookの投稿をすべて動画コンテンツにするなどの対応を開始しています。
コンテンツマーケの主戦場も「動画」へ
また、Instagramではスライドショー形式の動画コンテンツ「ストーリー」の投稿件数・視聴時間が右肩上がりで増加しており、YouTubeでは視聴時間が世界合計で1日あたり10億時間以上になるなど、ソーシャルメディアの動画シフトは急速に進んでいます。
こうした背景もあり、近年、コンテンツマーケティングの主戦場も「動画」へと移りつつあります。しかし、YouTubeやFacebook、Instagram等のプラットフォーム上には既に多数の動画コンテンツが溢れており、ただ動画を制作・掲載するだけのマーケティング施策では、効果を得ることが難しくなってきています。
そこで昨今米国で注目されているのが、動画の視聴者を最後までコンテンツに引き込むような“物語”を作る「ストーリーテリング」という手法です。