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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

フォロワー数水増し問題から考える、 インフルエンサーとの上手な付き合い方

理想は、骨太なアドボカシー(=支持者/代弁者)の育成

 「フォロワー数水増し」や「いいね!やRTの購入」といった不正に対する対策は確実にすべきです。しかしながら、本当に理想的な状態を言えば骨太なアドボカシーの育成、つまり自社のブランドや商品を熱狂的に支持して使ってくれるファンを育むことが必要だと思います。これを実現するための方法は大きく3つあります。

1.既に存在しているアドボカシー候補を見つけ関係性を強化する

 企業が知らないだけで、実は強力なインフルエンサー(もしくはマイクロインフルエンサー)が既にブランドを支持しているかもしれません。彼/彼女らはビジネスに関係なく支持してくれているリアルなファンなので、関係性を強化することにより本質的なアドボカシーになってくれるでしょう。

2.インフルエンサーを根気よくアドボカシーに育成する

 自社のブランド体現者として強力に合致するインフルエンサーがいれば、従来のインフルエンサービジネスの商習慣に則ることなく、広告契約のように継続起用をして嘘偽りのない発信を続けることで、アドボカシーに育成していくというのも一つの手です。

 一部の企業では既にこのような取り組みがベーシックになってきています。時間とコストはかかるかもしれませんが、影響力の強いインフルエンサーであればマス広告のようなタレント契約をSNS上で結ぶという発想の転換もあるかもしれません。

3.自社の関係者が強力なインフルエンサーになる

 最も理想的な方法は、自社の関係者にインフルエンサーとして影響力を持ってもらうことです。社内のソーシャルメディアポリシーなどの影響もあり、自社の関係者が自由に情報発信できない障壁もあるかもしれません。ですが、自社ブランドを最も骨太に語れるアドボカシーは、自社の関係者に他なりません。

 一般の生活者からすると、企業(とその社員)が持つ特定領域における専門知識・知見には、実はとても価値があります。「多様な自社の関係者が持つ知識・知見の中で価値の高い点とはなんなのか?」を見つめてみるのもいいかもしれません。

「隠せない社会」は、「語られる社会」でもある

 前述した「隠せない社会」とは、ネガティブな側面だけではありません。裏を返せば、ポジティブなブランド姿勢が「語られる社会」でもあります。

 誠実性を欠いた言行不一致な姿勢が叩かれるのと同時に、日々の業務を通じてあらゆるステークホルダーとの誠実な向き合いが「神対応」として称賛されることもあるということです。

 インフルエンサーは広告媒体ではありません。生身の「人」です。彼/彼女らに対するジャッジメント基準を持つだけで満足するのではなく、ブランドとして誠実に丁寧な向き合うことで、インフルエンサーも嘘偽りのないポジティブな発信=「神対応」を行ってくれるでしょう。インフルエンサーマーケティングというまだ成熟し切っていないビジネスモデルが、正しい方向に発展していくことを願っています。

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この記事の著者

森竹 アル(モリタケ アル)

 スパイスボックス 取締役副社長 事業統括責任者。2006年にスパイスボックス入社。プロデューサーとして大手自動車メーカー、食品メーカー、ゲーム会社等のデジタルマーケティングを支援。2013年、プロデュース局局長就任。すべてのクライアントワークを統括。2016年以降は、ソーシャルメディアを中心に「共感」と「話題」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31334

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