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AIでリテールはどう変わる?伊藤忠食品、ユニ・チャームが実践したAI活用法

「Microsoft Azure Databricks」を採用、その理由は?

――実際にAI活用を試すプラットフォームとして、Microsoft Azure Databricksを選んだのはどのような理由からだったのでしょうか。

今村:ちょうどその頃Microsoft Azure Databricksが登場しはじめていて、注目はしていました。最終的な決め手は、UIがわかりやすく、“それほど専門知識がなくてもAIソリューションを実装できるツールだな”と感じたからです。リテールAI研究会はAI未経験メンバーが多いのですが、そういった方でも扱えるだろうなと。AIソリューションを構築できるプラットフォームで、ここまでハードルが下げられたものはなかなかないと思いますよ。

――協調フィルタリング分析時にMicrosoft Azure Databricksを利用したと思いますが、実際に使ってみていかがでしたか。

石井:決して「簡単でした」とは言えませんが、ツール全体を理解しなくても、使いたい機能単位で理解できていればなんとか使えるな、と感じました。

衛藤:同じくです。きっとまだまだ活用できていない機能もあると思うので、色々試してみたいですね。

AIを導入することで、最終的には顧客体験を向上させられる

――今後、取り組む予定の施策はあるでしょうか。

衛藤:今回行った実験で、地域エリアごとの潜在ニーズが見つかりました。得られたデータをもとに何を増やせばいいのか、減らすべき商品は何かを、検証を重ねながら考えていきたいです。今回は海産物を対象としましたが、他の食品カテゴリーにも十分応用可能だと感じたので、どんどん分析対象を広げていきたいですね。

石井:今回の実験で、改めてカメラの可能性を感じました。POSやID-POSは「買った」という事実はわかりますが、カメラを活用すれば、商品を手に取ったけど買わなかったとか、しばらく売場の前に立って悩んでいたけれど結局何も買わなかったというデータも残せますよね。なぜ悩んだすえに買わなかったのか。その悩みを分析し、解決できる状態に持っていきたい。このようなAIカメラ活用の可能性を考えていきたいですね。

――最後に、リテールAI研究会としての展望を教えてください。

今村:企業が何のためにAIを活用するかというと、やはり利益を伸ばすためです。そして、AIが良いか悪いか、最終的に判断するのは消費者。とはいえ、消費者はAIを使っているかどうかなんて意識しません。欲しい商品をスムーズに買えればいいわけですから。

 AIをはじめ、様々なテクノロジーを駆使して、消費者が心地よく買い物できる状態をつくれる企業が勝っていくと思います。少しでも多くのリテールがAI活用に踏み出せるよう、リテールAI研究会でどんどんユースケースを増やしていきたいですね。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/05/08 12:15 https://markezine.jp/article/detail/31404

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