売上への寄与がわかるTwitter活用を
MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、今回「三ツ矢の日」キャンペーンをTwitter上で実施することになった背景を教えてください。
高橋:Twitterを使った「三ツ矢の日」のキャンペーンは、2017年から開始しています。「三ツ矢」ブランドは発売から135年続くロングセラーブランドです。長く愛されている定番商品だからこそ、改めて良さを知っていただきたいというところから本キャンペーンをスタートしました。
ただ、「三ツ矢の日」自体の認知度はまだ低かったので、拡散力の期待できるTwitterを利用し、認知を広げることにしました。
MZ:認知度拡大を目的にTwitterの活用を決めたんですね。今回CyberBullさんと連携し、購買にどれだけ影響しているかの検証も進めたとのことですが、それはなぜでしょうか。
高橋:2018年も「三ツ矢の日」の認知度向上を狙ってTwitterキャンペーンを展開したのですが、期間中に「三ツ矢サイダー」の売上本数が明らかに増えていたんです。
ただ、当時は売上との相関関係を分析する仕組みを知らなかったので、「Twitterキャンペーン中に売上本数が増えた」という事実しか確認できなかった。2019年は広告効果を可能な限り正確に測りたいと思い、CyberBullさんに相談したんです。
やはり、デジタルはすべてデータで見える化される分、シビアに効果を求められる領域です。Twitterには今後も注力していきたいので、より予算を増やしていくためにも、売上に対して明確な効果があると証明することで説得力が増すのではないかと考えました。
長期で話題の波を作る
MZ:そのような相談を受け、CyberBullさんからはどのような提案をされたのでしょうか。
須藤:2018年の施策が売上に寄与した可能性が高いということだったので、基本的な枠組みは変えずに施策をアップデートし、検証できる仕組みを構築するような提案をしました。
施策をアップデートする上で欠かせなかったのが、長期的に話題の波を作る戦略です。2018年は、「三ツ矢の日」である3月28日の前後数日だけでプロモーションの波を作っていたのですが、今回は早い段階からティザー広告を配信し、時間をかけてピークに持っていく設計を心がけました。
MZ:「三ツ矢の日」までに、時間をかけて大きな話題の波を作るということですが、そのためにどのようなことを行ったのでしょうか。
須藤:まずはティザー用の動画も作成し、3月12日にアサヒ飲料の公式Twitterアカウントから「三ツ矢の日」について告知していただきました。また、3月14日から28日まで、自分の身近にあるもので「三ツ矢サイダー」のロゴ「矢羽根」を作ってもらうという、参加ハードルは高いけども熱量のある投稿が集まりやすいフォトコンテストを実施しました。
フォトコンテストに関する投稿が集まり、徐々に盛り上がってきたところで、3月25~28日にかけて参加ハードルの低いフォロー&リツイートキャンペーンを実施し、「三ツ矢の日」に話題量のピークが来るようにしました。
さらに、同時期に発売される新商品「三ツ矢レモネード」の動画広告も配信しました。「三ツ矢の日」での盛り上がりを新商品の認知にも活かせると考えたからです。
このように、今回は「三ツ矢の日」の認知、「三ツ矢サイダー」の購入促進、新商品のプロモーションという3つの目的に合わせて施策を行いました。