「近大マグロ」をロボット化したWeb動画を制作
キャンペーンについて
近畿大学(以下、近大)工学部は2019年7月、「武器は、工学歴。」をコピーに、マグロ型ロボット「MAGROBO(マグロボ)」をキャラクターに据えたショートムービーを公開。工学部の6学科の知見を基に結成された「MAGROBO」が、若者が抱く不安の象徴「シビア」に立ち向かっていく物語だ。
制作したムービーは180秒のWeb動画と地域限定テレビCMとして展開し、YouTubeでは37万回に迫る再生回数を記録している(2019年8月現在)。
――初めに今回動画を制作された目的を教えてください。
片山:近大の工学部キャンパスが広島県にあるというロケーションを周知すること、そして高校生に工学という学問へ興味をもってもらうことです。最終的には、それが受験者の増加につながることを目指しています。
小笠原:学校名に地名が含まれている大学は、高校生や保護者が進路を選ぶ際にイメージしてもらいやすいのですが、近大は大阪にあるというイメージが強いのが工学部としては悩ましいところでした。
そこでBBDO J WESTの眞鍋さんに相談しながら、広島というロケーションと工学部の魅力、両方の要素をショートムービーに落とし込んでいきました。
テレビCMは「音」で勝負する
――今回の動画は地域限定のテレビCMに加えて、Web上でも展開されたそうですが、それぞれどのような狙いがあったのでしょうか。
小笠原:本学部では毎年、広島県を含めた中四国地区で限定のテレビCMを打っていましたが、実は県内からの入学者は全体の3割で、残りの7割は日本全国から集まっていただいています。全国の高校生にアピールする飛び道具としてWebを活用する必要があるというのは、数年前から議論していたことでした。
片山:テレビCMは主に保護者向けで、クリエイティブでは音が与えるインパクトを重視しています。大学のテレビCMに多いのが、きれいな音楽や映像を流して、最後に大学名や「オープンキャンパス実施中」というメッセージを読み上げるもの。しかしこれでは、ようやく耳が反応し、画面に目を向けてもらった頃には、もう次のテレビCMが流れていますよね。
MAGROBOは、最初から映画のようなインパクトのある音で「ん?」「なんだこれは」と興味を引き付け、最後に「大学のCMだったのか」という驚きをもってもらうことを目指しました。高校生も、リビングでスマートフォンを見ていても、テレビの音は聞いているという場合も多いので、そこからWeb動画を観にきてもらうことも想定しています。