なぜTikTok広告は高エンゲージメントを叩き出すのか?
では、なぜTikTok広告は高いエンゲージメントを維持できているのだろうか。理由は大きく2つある。1つ目は「機械学習を活用した広告の配信アルゴリズム」だ。TikTokでは、ユーザーの趣味嗜好を機械学習で分析し、“見れば見るほど自分の好みの動画が流れてくる”という仕組みを構築している。こうしたレコメンドは他のSNSでも見られるが、「TikTokのアルゴリズムは精度が高いので、ユーザーの趣味嗜好に沿ったインタレストターティングが可能になる」と鈴木氏は話す。
「TikTokユーザーは、平均して一日160~180本の動画を見ています。多くのユーザーがこれだけの本数を視聴しているということは、それだけ好みの動画が流れてきているという証拠に他ならないでしょう。またTikTokでは、“投稿者のモチベーションを向上させるための仕組み”も作っています。コンテンツがおもしろければ、オーガニックに広がっていくアルゴリズムが構築されているのです」(鈴木氏)
TikTokでは、動画が投稿された際には限られたオーディエンスグループで配信される。そして、そのグループ内で一定以上のエンゲージメントが出れば、より広いオーディエンスグループにも配信され、そこでもエンゲージメントが出ればより拡散していく。つまり、フォロワー数に依存せず、ユーザーに受け入れられる動画さえ出せれば多くの人にリーチできるのだ。
2つ目は、「音声付きの縦型動画」という配信形式だ。TikTokは音楽に合わせてダンスやアクションを行うコンテンツを軸に広まったため、「音声をONにして視聴する」ユーザーが多く(他SNS比較139.5%)、視聴時には「スマホ全面(縦)」で見るユーザーがほとんどだという(他SNS比126.4%)。さらに、コンテンツは「最後まで見る」というユーザーが多い(他SNS比125.8%)ことも特徴だ。一度に伝えられる情報量が多いため、ユーザーのアクションを引き出せる確率も高くなる。