SEMとは?
ここで、オーバーチュアのキーワードアドバイスツールをたたいてみよう。キーワードアドバイスツールは、ある一部の検索エンジンで、月に何回キーワードが検索されたかを教えてくれるツールです(※厳密には検索数そのものではないが、正確な説明は次回以降に譲ります)。上から、「SEM」で18,440件、「SEO SEM」で2,802件、「SEM 原理」で678件…、人は検索エンジンにさまざまなキーワードを入力するもので、これ以降も、ずらっとさまざまな単語の組み合わせが続きます。
これらのキーワード群から「SEM」が何かを調べるために、ヒントになりそうなキーワードをピックアップしてみましょう。すると、「ネットショップ SEM」「eコマース SEM」「インターネット SEM」「インターネット 通販SEM」「オンライン 通販 SEM」という、「インターネットの販促」に関係した内容のグループと、「SEM 顕微鏡」「SEM 分析」「SEM 電子顕微鏡」「波長 SEM」「SEM 電子顕微鏡」といった「基礎研究系」のグループが存在することがわかります。
そこで、単独の「SEM」(18,440件)という単語を除き、キーワードアドバイスツールで出てくる全てのフレーズ群を、「インターネットの販促」「基礎研究系」「その他」という3つのグループに大まかに分類したものが、下図です。
インターネットの販促 | 基礎研究系 | その他 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
検索数 | 8,030 | 2,511 | 2,315 | 12,856 |
割合 | 62.5% | 19.5% | 18.% | / |
この図を簡単に説明すると、「SEM」に関する検索を行うユーザーのうち、約6割がインターネットの販促をイメージし、約2割が「顕微鏡」などというキーワードに象徴される基礎研究系の事柄を想起していることになります。つまり、いささか乱暴な推測ですが、2006年9月に単独の「SEM」というキーワードは18,440回検索され、このうちの6割程度はインターネットの販促をイメージした検索、2割程度は(ここでいう)基礎研究系のイメージをもった検索だったと言えるのではないでしょうか?
ずいぶん前置きが長くなりました。もちろん、この連載がテーマとする「SEM」は「インターネットの販促」に関するトピックです。そして具体的に言うと、「SEM」とは、ちょうど上で見たように検索数の割合などをヒントにしながら、検索エンジンユーザーの動向を推理/把握して、検索エンジンを販促ツールとして活用しよう、という営みを言います。「『SEM』(Search Engine Marketing)とは検索エンジンによるマーケティング手法である」というトートロジーめいた説明があまり好きではないので、あえて遠回りをしてSEMを説明してみました。