インターナルブランディングにも好影響
戦略が変わると、企業としての攻め方も大きく変わります。その度に社外のみならず社内に対しても、「戦略の共有」が不可欠です。時折、コンサルティング先のクライアントに「戦略は現場のメンバーにしっかりと浸透しているか?」という質問を投げかけることがあります。「現場はなんとなくわかっていると思う」「自分自身でもまだ絵に落とせてないからなかなか共有できていない」と回答されるケースも少なくありません。
新しい社員が中途採用で入社したとき、新卒説明会で会社の説明会を行うとき、あるいは年度の全社総会を行うとき、経営者はしっかりと自社の戦略を伝えることができているでしょうか。自社商品・サービスの伝道師である現場の社員に対してこそ、しっかりと戦略を理解してもらうことが重要です。企業のブランディングの成否を左右する社員一人ひとりに対し、しっかりと戦略を根付かせてインターナルブランディングを強化していく際にも、プレゼン資料によるビジュアライゼーションのパワーは非常に有効です。
資料を作る行動こそが、新しい世界を開く
上述のとおり、戦略を企業全体に共有・浸透させることも非常に重要ですが、それ以上に描き手本人が戦略を自ら整理できて、いつでも説明できる状態であることが重要です。未上場企業であっても、資金調達を一切必要としていない企業でも、“戦略”は不可欠です。
資料をまとめる上では、「シンプルに、わかりやすく」というのが大原則ですが、内容を精査していく過程で、不要なものをそぎ落とし、本来の経営の在り方自体を振り返り、未来の自社のビジネスをシミュレーションすることが可能になります。
これは、経営者に限った話ではありません。資料を作る誰もが、プレゼン資料作りの過程を経ることで、新しい閃きが浮かんだり、事業自体の悩みがすっきり整理されたりと、思わぬ副産物を得ることができます。
資料化のプロセスにひるまず、ぜひこの連載を通して伝えてきた究極のプレゼン資料作成のノウハウを活用して、ご自身の課題に立ち向かってください。まず絵にまとめようとアクションを起こすことで、新しい世界が開けるはずです。