Web上で顧客育成の効果を高めるために
MarkeZine編集部(以下、MZ):御社は小規模ながら、数多くの企業の贈答品をサポートされているのですね。まず、お二人の役割についてお教えください。
丸山:執行役員の丸山です。当社で運営する、法人ギフトサービス「okurimono-おくりもの-」のシステム管理と、セールスプロモーションを統括しています。
運用担当者:私は2019年10月に入社したばかりで、現在は企画営業部で顧客対応や受注処理、Web接客ツールの運用などを担当しています。
MZ:Web接客ツールの導入前は、どのような課題があったのでしょうか?
丸山:当社は、企画営業部のインサイドセールスチームと、実際に顧客企業を訪問して商談を進めるフィールドセールスチームを設けています。前者ではWebに来訪した顧客に会員化を促し、Web上で完結できる規模なら購入までつなげるのが目標になりますが、そういったコンバージョンがなかなか促進できていなかったのです。
また、フィールドセールスでは顧客を訪問してアップセルやクロスセル、リピート獲得につなげられていましたが、Web上だとなかなかそうした顧客育成ができていない状態でした。会員化や売上というコンバージョンの向上に加え、Web上でも顧客育成の効果を高められないかと検討していたのが、2019年はじめごろの状況でした。
ささいな疑問を逃さないチャットボットをまず導入
MZ:Web上でなかなかコンバージョンできない要因は、どのように分析されていたのでしょうか?
丸山:新規流入の場合、ほとんどの方は「法人 お歳暮 チョコレート」などの複数ワード検索で来訪されます。ただ、そうすると個別商品ページにランディングすることが多く、それ以外の選択肢への回遊をなかなか促せていませんでした。本当はもっとたくさんの商品や切り口があるのに、その幅を提示できていなかったんです。
合わせて、当社の強みは単なるEC機能や商品集積力というよりも、きめ細かに対応するコンシェルジュの役割にあるのですが、その点を適切にご案内できていないことも課題でした。対面でご相談に乗るように、Web上でもそのお客様の目的を踏まえた導線設計やご提案を実現し、電話や対面対応が必要な方は適切に誘導したいと思っていました。
MZ:その課題を踏まえて、どのようなツールや施策を検討されたのですか?
丸山:まず、ちょっとした疑問や不明点を持たれた方がすぐにアクションできるように、2018年10月にチャットボットを導入しました。たとえば大量注文されたい場合に、チャットで気軽に書き込んでいただければ、すぐフィールドセールスにおつなぎする、といった導線を整備しました。
実装してしばらくすると、これまで捉えられていなかったニーズや細かな指標がわかってきました。同時に会員化や売上の数字にも効果が表れてきたのですが、あくまでチャットボットはお客様からのアクションがあってはじめて機能するものです。もう一歩踏み込んだ、当社側からの働きかけをしたいと考えて、次に検討したのがWeb接客ツールだったんです。