SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2020 Spring

“チームが勝たなければお客様は来ない”は本当か?歴代最多平均入場者数を実現したガンバ大阪のデジマ戦略

 ガンバ大阪は2019年、チーム史上最多の平均入場者数を記録した。Jリーグ全体の平均増加率を上回る前年比118%増の背景にあるのは、デジタルマーケティングの導入だ。ガンバ大阪で顧客創造部に所属する竹井学氏は、デジタル化のメリットとして、顧客の把握だけでなく組織と意識の改革が進んだと報告する。

来場者数減が止まらない危機的状況に

 2019シーズン、ガンバ大阪は歴代最多数となる2万7,708人の平均入場者を達成した。2018シーズンの2万3,485人から118%増、Jリーグ平均の増加率である前年比109%を上回り、Jリーグ3位となった。

 だが、これは「順風満帆に達成できたのではない」と竹井氏はいう。ガンバ大阪は2016シーズンに新しいホームスタジアムとなる「パナソニックスタジアム吹田」に移転、同シーズンは目新しさもあって平均入場者数が前年の約1.5倍となる2万5,342人となった。しかし、その後は2年連続で平均入場者数が1,000人ずつ減少した。「話題性が薄れ、危機的状況にあった」と竹井氏。

ガンバ大阪 顧客創造部企画課 集客イベント・デジタルマーケティング担当課長 竹井学氏
ガンバ大阪 顧客創造部企画課 集客イベント・デジタルマーケティング担当課長 竹井学氏

 そこで2018年にデジタルマーケティングを導入し、(1)「組織」と「意識」の改革、(2)顧客ニーズの把握の大きく2つの取り組みを進めた。

デジマ実践前は打ち手が見えていなかった

 1つ目の「組織」と「意識」の改革から見てみよう。そもそもガンバ大阪では、「ホームタウン」「チケット」「ファンクラブ」の3部門が来場に関するマーケティングに携わっている。竹井氏はデジタルマーケティング導入前のそれぞれの課題を、次のように説明する。

 ホームタウン担当は各自治体で年に一度開催する「ホームタウン応援デー」のチケット販売枚数をKPIにしているが、一度来場した人がその後も来場しているか、ファンになっているかについては見えていなかった。

 チケット担当は各試合のチケット販売枚数を集計していたが、集客が難しいという状況は把握できていても伸ばすための手段がわからずにいた。

 ファンクラブ担当は年間席数などをKPIに持つが、実際にファンクラブ会員が来場しているのかなどを把握することはできていなかった。顧客がどのような行動でガンバの試合を知り、どこでチケットを購入して、もしくはチケットをもらって、実際に来場したのか・しなかったのかが把握できていなかった。

 総じて、「どうすればガンバ大阪に興味がある人にスタジアムに来てもらえるのか、なかなか手立てが打てなかった」と竹井氏は振り返る。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
データ分析が顧客育成の土壌を整えた

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2020 Spring連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/04/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33091

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング