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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

クリエイティブに必要なのは、科学と覚悟

最高のクリエイティブはパートナーシップがあってこそ生まれる

――ちなみに、デジタルクリエイティブとネーミングで共通して大事にすべき点はありますか。

 共通して大事にすべきことは最高のパートナーシップの下で共創することを通じてアウトプットへの覚悟を作るという点だと思っています。ブランドアイデンティティも広告も、事業会社だけ、支援会社だけでは作れないと思うので。全員で制作のプロセスを共有するためにも、抽象的・専門的になりがちなクリエイティブの作り方を言語化、フレームワーク化することに力を入れています。

 たとえば、クライアントと一緒にブランドアイデンティティを作る際に覚悟を持ってもらうための10の共創プロセスを取り入れています。そのプロセスの下、クライアントのことを探っていき、問いや答えを明らかにしていっています。

 このようなプロセスを用いながら、先ほどお伝えした全員クリエイターとなれる場を提供することで、参加してもらいやすく、そして結果的にアウトプットへの覚悟を醸成しやすくしています。

――クリエイティブの作り方を突き詰めて考えていった結果、自分だけでなくみんなで作っていくのがベストだと気づけたんですね。

 用意されたプロセスがあるからこそ、誰もがクリエイティブの共創に参加することができ、アウトプットに対して覚悟を持って自分で意思決定できるようになります。もちろん、すべて何か言語化したり、フレームワーク化したりすることができるとは思っていませんが、世に出ているクリエイティブも「これはこの理論が使われている」「このフレームワークに近い」など自分なりのインプットが捗って発想の幅も広がります。ですので、理論や型を知っておく、考えるのはマーケティング関係者であれば非常に重要だと思います。

必要なのは仮説を持ちチャレンジすること

――最後に今後の加来さんの目標をお聞かせください。

 今後、今自分が行っているクリエイティブやブランドアイデンティティの共創のスタイルをもっと広げていきたいと思っています。そのためには、マーケターやクリエイターがそれぞれ責任を持つべきところを明らかにし、共創しながら大きな課題に立ち向かう必要があります。

 ブランドアイデンティティの世界において「加来さんの作り方は独特ですよね」と言われることが多く、まだマーケターとクリエイターは受発注の関係止まりなのだと危機感を覚えました。

 ブランドアイデンティティ作りからマーケターとクリエイターが覚悟を持って共創することで、より豊かなクリエイティブが生まれると信じています。そういうスタンスを様々な広告主に伝え、近い考え方を持つ広告主と切磋琢磨していきたいです。

 MarkeZineの読者の方の多くはデジタルマーケティングに携わっていると思いますが、データ分析やA/Bテストなどを通じてクリエイティブを最適化している“だけ”では、その先はないかもしれないという危機感をあえて持ち続けて欲しいと思います。大きな成果を上げるには自分なりの仮説を持って、正解のない未知の領域へチャレンジしていくことが求められます。

 チャレンジから得られた知見を言語化、フレームワーク化していけると、抽象的で専門的に思われがちなクリエイティブ制作プロセスもより多くの人で共有できるものになっていくはずです。そして、より強い覚悟を持って世に出されるおもしろいクリエイティブが増えることで、世界ももっとおもしろくなっていくのではないでしょうか。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/24 14:30 https://markezine.jp/article/detail/33245

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