マーケ・営業活動のオンライン転換には動画が必須
――本日は、ウェブデモ 代表取締役の川﨑 実知郎さんにお話をうかがいます。まず、御社の事業と現在のミッションを教えてください。
川﨑:ウェブデモは2003年に創業した企業で、動画マニュアルの制作やコンテンツのコンサルティング、ビジネス動画作成ツールの販売を手掛けています。
得意としているのは、BtoB企業の動画活用を支援することです。『YouTube 集客の王道 ~売上に直結する「投稿」の基本と実践』など動画マーケティングに関する書籍を出版したほか、2018年からは今回紹介する米国のビジネスアニメ制作ツール「VYOND(ビヨンド)」と提携を結び、日本におけるエバンジェリスト活動を行ってきました。
――昨今、新型コロナウイルスの影響でオフラインでのマーケティング・営業活動がオンラインに置き換わり、リード獲得や商談に苦戦しているBtoB企業も多い印象ですが、川﨑さんはどのようにお感じですか。
川﨑:そうですね。多くのBtoB企業は商談やセミナー、展示会をすべてオンラインで完結させなければならなくなり、ビジネスプロセスの大変革を余儀なくされています。この状況で効果的にリードを獲得するためには、クライアントに伝わる良質なコンテンツで動機を形成し、商品理解から検討・意思決定へと結び付けなければなりません。
こうした状況を受けて、これまでは「あるに越したことはない」と考えられていた動画コンテンツが、一気にマーケティング活動に不可欠なツールとなったと感じています。動画コンテンツの導入に及び腰だった企業も、「動画で発信しなければ取り残される」という強い危機感を覚えているようです。
年間15万円でビジネスアニメが作り放題
――オンラインへの移行にともない、必要性が高まっているのですね。今回紹介していただく「VYOND」では、ビジネスアニメが気軽に制作できるということですが、詳しく教えていただけますか。
川﨑:「VYOND」は年間15万円の契約で、ビジネスアニメを無制限で制作できるクラウド型のツールです。米国発祥のツールですが当社が提携を結んでおり、マニュアルや制作のポイントも日本語で用意しています。
どんなビジネスアニメを制作できるのか、事例をお見せしたいと思います。まずは埼玉県庁さんが運営する女性向けの就労支援機関「埼玉県女性キャリアセンター」の動画です。
川﨑:「埼玉県女性キャリアセンター」は、一般の転職者と求人したい企業とをマッチングさせるBtoBtoCの団体です。「再就職したい」「どうやって仕事を探したらいいかわからない」といった抽象的な転職者の悩みを、ターゲットを想起させる女性キャラクターを登場させて共感を呼びながらわかりやすく説明し、再生回数は1年間で32万回を記録しました。
――ビジネスシーンに動画を活用する企業は増えていると思いますが、アニメならではの良さについて教えていただけますか。
川﨑:大きく3つのメリットがあると思います。まず、なんといってもわかりやすいこと。アニメを用いることで、一見難しそうな製品やサービスの説明をビジュアライズすることができるため、ストーリーが伝わりやすく親近感も湧きやすいのです。子どもの頃からアニメに親しんでいる日本人には特に、理解しやすいようですね。
実は多くのケースで、実写よりもアニメのほうが、視聴回数や視聴完了率が格段に高いんです。特にBtoBの商材は難解なため、ビジネスアニメのニーズは一層増えてくるでしょう。