2019年冬商戦ではCPAが2ヵ月で10分の1に
Datoramaを導入して変わったのはそれだけではない。ダッシュボードの内容を整理していく過程で、データを見る目的や見るべき指標、KPIなどを社内でしっかり議論できたことも大きなメリットだったと土井氏は話す。
「これまで本当に大事なデータは新規のユーザー数なのか、リピーター数なのか、それともサイトの滞在時間なのか、あまり深く考えずに、とにかくすべてのデータを見ようとしていました。しかしいざ導入するにあたり、そのデータを見てどんなアクションを取るのか、アクションにつながらないならそのデータは本当に必要なのか、という視点で考えるようになりました。「本当に必要なデータ」は何なのか、そしてそれらのデータは「どの優先順位」で必要なのか、ということをあらかじめ議論でき、データの取捨選択をすることができたのがよかったと思います。Datoramaの導入プロセスそのものを経験したことが当社にとっては良い機会でした」(土井氏)
こうしてこれまで長年の課題を解決していったことで、数字面でも如実に成果が現れている。2019年11月に開始した冬商戦向けのマーケティング施策では、翌12月にCPAが前月の約2分の1になり、2020年1月には11月の約10分の1に下がったのだという。
「必要なデータを整理し、KPIの仮説を立て検証することで、これほどの効果が上がるとは思っていませんでした。導入するまではただダッシュボードでデータを一元管理できるツールなのかなという浅い認識だったのですが、利用してみると社内の広告運用に関する議論を活性化できた上に、あらゆる広告効果を最適化することができたと感じています」(土井氏)
あらゆるデータを連携し、統合マーケティングの実現を目指す
各広告代理店とのやり取りがスピーディーになったのも大きな成果の一つだと土井氏は考えている。Datoramaの導入後は、広告主と広告代理店が同じタイミングで同じダッシュボードを見ながら「この媒体は効果が悪いからやめましょう」「こちらのメディアは入札単価を変えてみます」とリアルタイムに電話やDatorama上のメモ機能で話し合うことで解決できるようになり、意思決定のスピードが格段に上がったという。
「一つのダッシュボードを基点にデータを見られるようになったことで、経営層含む、社内のあらゆる関係者にデジタル広告の効果をわかりやすく伝えられるようになりました。おかげで広告宣伝グループの取り組みに対する社内の理解が深まったように思います。社内でもDatoramaを見る癖がついてきましたね」(土井氏)
同社は今後、Datoramaを活用してトリプルメディアのみならず、POSデータや気象データなどとも連携した、統合型マーケティングコミュニケーションにチャレンジしたいと意気込んでいる。2020年の夏商戦はどう展開されていくのか。同社のさらなる発展に期待だ。