マーケティングはトレンドやツールの移り変わりが激しいとはいえ、そうした変化を即座に目の前の仕事へと取り入れられる環境にいる人は少数派です。どちらかというと、これまでの手法を繰り返し、いつしか現状維持になってしまっていることも。すると、「このままでいいのだろうか」と途端に自身のキャリアや将来に不安が及びます。
ですが、「何か変えなくては」と思いながらも、なかなか行動に移れなくてやきもきしている方は少なくないのではないでしょうか。それは仕事のやり方に留まらず、そもそもの働き方についても同様のはず。楽しく働くには金銭面や充実感、やりがいも欠かせませんが、何より仕事の中に「好き」があるかどうかも重要です。
好きなことをそのまま仕事にするのは簡単ではありません。しかし、少しでいいので「好き」を仕事に混ぜていくことはできるかもしれません。そのためのアドバイスが語られた『仕事に「好き」を、混ぜていく。 あなたのB面を本業に生かすヒント』が、MarkeZineを運営する翔泳社より発売となりました。
本書は超適材適所で働く電通Bチームのメンバーが執筆。電通Bチームとは、本業=A面は前提に、好きなこと=B面を仕事に取り入れて働いている人たちの集まりです。発起人は倉成英俊さん、本書でも中心的な役割を果たしています。
本書では自身のB面を見つけ、育てながら仕事に混ぜていくためのアドバイスが語られます。B面とは私的活動(副業)や趣味、前職、学校の専攻、バックグラウンドなどを指し、「努力して継続しなければならないもの」ではなく「自然とやってしまうもの」であることが大切です。そうしたB面がないと思っている方でも、本書ではその見つけ方が紹介されます。
もちろん、どうやって「好き」を仕事に混ぜていくか、その方法についても解説。電通Bチームは単なるコミュニティではなく、電通内に部署として存在し、実際に収益も上げています。そんな皆さんが実践知を惜しげなく披露してくれています。
また、社内にBチームを作りたい方に向けて、倉成さんが作り方から運営方法、さらに活動内容(これまでの成果)まで細かく紹介。本書は個人でB面を活かしたい方にだけでなく、会社でBチームを活用したい方にも参考になる知見にあふれた1冊です。社会で多様な価値観が求められているように、これからはA面とB面の両方に強みを持つ方が活躍できる時代になるのではないでしょうか。
目次
はじめに
0章 ようこそ電通Bチームへ――世界でたった1つのチームの紹介
電通Bチームのはじまり
9→25→40→56 メンバーを増やす
面白いチーム誕生、名前はまだない
Bチームが大切にしている3つのこと
いままで何やってきたか――活動、実績
「Bチームってこんなチーム」メンバーより一言
1章 B面を見つける――あなたのB面はなんですか?
B面を、決めてみましょうか
B面5つのパターン
メンバーから、B面の見つけ方アドバイス
Bチームの担当ジャンルリスト
事例集1 電通Bチームメンバーの個人的なB面プロジェクト
2章 B面を育てる――ゆるく、勝手に、自然に
ゆるく楽しむ――B面の育て方は自然栽培
何かする――好きの力に身を任せて
詳しくなる――B面アンテナは勝手に情報を拾う
B面を育てるために必要な、あるもの
3章 Bチームの作り方――才能の組合せに超こだわる
①メンバーを集める
②個人でリサーチする
③情報を共有する
④コンセプトやプロジェクトを作る
⑤受注や相談に応える
事例集2 電通Bチームで開発してきたコンセプト
事例集3 電通Bチームで開発した自主プロジェクト
4章 Bチーム運営のコツとヒミツと意味と価値――超適材適所でイノベーションを
Bチーム運営のコツ
さらに、Bチームの運営のヒミツ
Bチームを組む、意味と価値
事例集4 電通Bチームで受注してきたプロジェクト
5章 B面を個人で生かす方法――役に立つと、フラグが立つ
僕の場合のAxB
メンバーからのAxBアドバイス
おわりにーBチームの57人目のメンバーへ
特別付録 B面の履歴書