マーケターキャリア協会とのコラボレーション連載「現在活躍しているマーケターのターニングポイント」。第7回となる今回は、花王に新卒で入社後、コピーライターやブランドマネージャーなどを経て、現在コンシューマーリレーション開発部 部長を務める鈴木愛子さんに話を聞きました。
マーケターとマーケターに協力する立場の視野の違い
MarkeZine編集部(以下、MZ):最初に、現在の鈴木さんの役割を教えてください。
鈴木:私がいるコンシューマーリレーション開発部は、お客様を理解したり関係性を構築したりするための仕組みや基盤を、デジタルの視点で整えるという役割を担っています。私は部長として、部下のマネジメントや育成にあたっています。
MZ:ありがとうございます。では、ここから鈴木さんのキャリアにおけるターニングポイントを探っていきます。これまでのキャリアを振り返ってみて、ターニングポイントだったと思う点はありますか。
鈴木:私は正直に言って、これまで連載に登場した方のように、戦略的にキャリア形成をしてきたわけではありません。その中で、ターニングポイントを「視野が変わったきっかけ」とすると、マーケターとマーケターに協力する立場を交互に経験したことが一番大きかったと思います。
私は、花王の中で25年間マス広告の企画・制作に関わってきて「このまま最終的にはクリエイティブディレクターとしてキャリアを終えていくんだろうな」とぼんやり考えていたところ、突如ブランドマネージャーへの異動を宣告されました。
その後、コミュニケーション全体を俯瞰的に見る立場になったり、デジタルマーケティングを経験したりと、2~3年スパンで新しい仕事に関わることができたんです。このように、川の彼岸と此岸を往復したことで、見える風景が全然違うと気づくことができました。
広告屋であるうちは4Pを完全に理解できない
MZ:見える風景が全然違ったとのことですが、マーケターとマーケターに協力する立場それぞれで、具体的にどのような違いがありましたか。
鈴木:私はブランドマネージャーになるまでずっと広告屋でした。事業部からオリエンテーションを受け、企画を作りプレゼンして、制作し、その後試写をして世の中に広告を届けてきました。
ブランドマネージャーと一緒にお仕事することも多かったので、ブランドマネージャーの物事の考え方をある程度理解することができました。そのため、マーケターの仕事内容や求められる要素はわかっているつもりだったんです。
しかし当たり前ですが、見ると聞くとでは大違いでした。マーケティングの4PにおけるPromotionはもちろん、社内クリエイティブとして商品のコンセプトワークから入る仕事も多かったため、Productに関しても理解していました。さらに、広告屋だったころよりも、商品開発との距離も近く、デプスインタビューなどもできるのでより充実していました。
ただPriceとPlace、生産部門や販売部門が事業部に何を求めているのかがまったくわからなかったんです。最初のころは彼らとミーティングしても「何を心配しているのか」「なぜこの質問をしているのか」理解するまで時間がかかりました。
MZ:マーケターがPromotionやProductの領域以外にも、やらねばならぬことがたくさんあることに気づいたわけですね。PriceとPlaceに関する理解を進めるために、何か工夫していた点はありますか。
鈴木:自分がどこがわかっていないのかを把握することですね。最初はわからないことだらけだったので、周りのマーケターに状況を説明して、なぜ生産部門や販売部門と調整が上手くいかないのかを聞き、どこが間違っているかを理解していました。
もちろん、それでも同じ轍を踏んでしまうことはありましたが、1年間仕事をしていくとブランドマネージャーの実務がわかってきます。生産部門や販売部門の方の思考も読めるようになってくるので、また痛い思いや同じミスをしないように心がけていました。
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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
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