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ニューノーマル時代、CX戦略はどう変化するのか?【スシロー竹中氏×Sprocket深田氏対談】

2020/08/26 10:00

 2020年、コロナ禍の影響で消費者行動が急激に変容している。それにともない、企業がこれまで描いてきたカスタマージャーニーに沿ったCX(Customer Experience)戦略も、再考する必要に迫られているだろう。本対談では、「現場の数値改善に直結するCX向上の一手」をテーマに、大きな変化を求められている現状を踏まえ、スシローグローバルホールディングスの竹中氏とSprocketの深田氏による対談を実施した。

目次

外出自粛の影響で生まれた、新たなスシローの顧客体験

――本日はあきんどスシロー(以下、スシロー)の竹中さんと、創業から一貫してオンラインでのコミュニケーションに「おもてなし」の世界観を実現させることに注力してきたSprocket(スプロケット)の深田さんを迎え、「現場の数値改善に直結するCX向上の一手」をテーマにディスカッションをしていきます。スシローではかねてよりオンライン・オフラインを含めたCX向上に取り組まれていますが、あらためて御社におけるCXの定義について、教えてください。

株式会社あきんどスシロー 営業企画部 主任 竹中浩司氏

竹中:明確に言語化はしていませんが、お客様の利便性を上げると共に、多角的なアプローチができる環境作りにも注力をしています。

 今回のコロナ禍では、主軸の店内飲食で大きな打撃を受けたものの、持ち帰りや他社サービスと連携したデリバリーなど、新たな利用シーンの創出と可能性を多く感じとる機会となりました。その要素の拡大を視野にいれつつ、新たな生活様式でも多くの方にスシローをご利用いただける環境作りを目指しています。

――Sprocketはこれまで長年企業のCXの実現を支援されてきましたが、2020年以降、クライアントの悩みごとの種類やフェーズに変化は感じられていますか?

株式会社Sprocket 代表取締役 深田浩嗣氏

深田:我々のお客様は、リアルもオンラインも両方取り組まれている企業がとても多いのですが、緊急事態宣言以降、一気にオンラインシフトしている傾向があります。顧客との接点は、リアルな場がメインだという認識は残しつつも、オンラインでどんなことができるのか、リアルのリソースをオンラインで有効活用する手立てはないか、といったことをより真剣に議論されるようになってきています。

――外出自粛といった消費者側の行動変化にともない、スシローにおいてもCX実現へ向けた各チャネルの重要性に変動があったりしたのでしょうか。

竹中:コロナ禍以降の傾向として、メディアが発信する情報が、ユーザーの価値観へ影響するスピードが速くなったと感じています。コロナ関連の報道が過熱し、外出の自粛要請が出された3月中旬以降から、店内飲食への影響は徐々に現れていき、顕著に数字へ表れたのが緊急事態宣言が発令された4~5月でした。

 一方で、元々4月中旬ローンチで動いていたインターネット注文のリニューアルは、結果として功を奏しました。テレビCMにも、“お持ち帰り スシロー”のワードを表示したことで、お客様ご自身がスシローの持ち帰りについてインターネットで調べてくださり、「スシローのお寿司をテイクアウトして食べよう!」という新しい利用意向を創出することができました。

 実際、お持ち帰りのシェアは、これまでは売上に対して1割ほどでしたが、今年のGW頃は大変多くのお客様にご利用いただきました。6月度の実績も昨年対比では200%超で伸びています。

深田:外出自粛期間中、SNSの投稿で子どもの玩具を活用した「プラレール回転寿司」がバズっていましたよね。家庭の中でスシローのお寿司を楽しむという、新しい体験創出と言いますか、CXの広がりの表れですね。

竹中:スシローのお寿司だけの影響ではないと思うのですが、これを見た時に、お寿司がこんなにもご家庭でも楽しんでいただけるのだと改めて認識しました。世の中的に暗い話題が増える中、少しでもご家庭に笑顔を届けたい思いがあったので、スシローをステイホーム下でも楽しんでいただくために、こだわりのすしを持ち帰りで提供できたことは良かった点だと思っています。

深田:第二波の心配もありますが、まだニュースタンダードがどんな状況か、どの企業も決めきれない状況かと思います。今後の新しい生活スタイルが自社に与える影響の落ち着きどころを、竹中さんはどのようにイメージしていらっしゃいますか?

竹中:今回の経験を通して、お客様の中に、“お持ち帰り スシロー”がインプットされたと考えてます。たとえどんな状況下でも利用シーンを創出し、スシローを継続してご利用いただく機会は生み出せるはずです。店内飲食とテイクアウトの売り上げシェアの比率が崩れたことをポジティブに捉えながら、どのような状況下においても対応できるように、常に施策を考えながら進めています。


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