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定期誌『MarkeZine』特集

社会に働きかけるブランド

 私たちの生活に大きな混乱をもたらした新型コロナウイルス。その中で自社にできることを見つけ、社会に積極的に働きかけたブランド6社に話を聞きました。

※本記事は、2020年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』55号に掲載したものです。

クックパッド
「各事業部ができることをやる」ミッションの浸透がスピードに直結

半日で施策を決定、1日半でサービス公開

 クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、定款には「それをクリアしたとき、会社は解散する」と記しています。以下は今回のコロナ禍で各事業部が行った代表的な施策です。

 
3月1日 「人気順検索」の無料提供
3月4日 おりょうりえほんの食育教材を無料提供
4月16日 広告主企業との企画「おうちごはん応援特集」を公開
4月17日 「#おうちで楽しもう」マルシェを毎週開催
4月20日 特設サイト「私たちは、料理でつながろう」公開
4月20日 クリエイターを応援する「オンライン陶器市」を開催

 新型コロナウイルスの感染拡大にともない、弊社では2月18日から全面的な在宅勤務に移行しました。これにより、以降多くの方が抱えるであろう食に関する課題をいち早く掴むことができました。社員自らが「毎日の献立を考えるのが大変」「平日と休日のランチでは、食べたいものが違う」といった悩みに直面し、社内のSlackでは在宅勤務中のランチを投稿するチャンネルが生まれました。

 3月に全国一斉の休校が決定し、有料会員向けの機能「人気順検索」を一般公開しました。「人気順」には、献立を早く、安心感を持って決められる良さがあります。政府が休校を発表してから半日で施策を決定、1日半でサービス公開まで進めました。有料会員様がどのように感じるか心配だったものの、「この機会に便利さを知ってもらえるのは良い」という声をいただき、みんなで助け合うような雰囲気が生まれていたのは、嬉しいことでした。

 また私たちの強みである検索データからも、課題を把握しました。よく検索されていたのは、「時短」「簡単」といったキーワードで、長期休み期間に似た傾向が見られました。さらに時間が経過すると、特定の食品の品切れなどが続いたことから、「○○なし」のレシピが頻繁に検索されるようになっていました。特設サイトにはこうしたデータを反映し、レシピの並べ替えを行っています。

やりたいことのまだ1%もやれていない

 振り返ってみると、各事業部がミッションを強く意識し、それぞれができることを進めていったからこそ、スピード感を出せたと考えています。日頃から「ミッション達成のためやりたいことのまだ1%もやれていない」という感覚を持って仕事をしています。また、「困りごとは、テクノロジーで解決できるのではないか」という視点が根付いていることもプラスに働きました。

 今回のことで強く感じたのは、「家で料理をする」ということが、人間の生活にとって思っている以上に大切であるということ。働き方や生活が変化する中で新しく出てくる困りごとにも、対応していきます。

クックパッド株式会社 広報部 本部長 Japan VP 國江木綿子氏

クックパッド株式会社 広報部 本部長 Japan VP 國江木綿子氏

SmartHR
“場所の力”を活かし、習慣を問い直すコミュニケーションを展開

直球のメッセージを最適な場所に

 マーケティング施策として、「テレワークが始まった。ハンコを押すために出社した。」というコピーを発信しました。具体的には、4月中旬から5月中旬にかけて、関東・関西エリアの電車内、駅構内、タクシー広告、テレビCM、折り込みチラシといったマス広告を活用し、SmartHRがテレワーク推進の一助になるというメッセージを展開。中でも、テレワークへの移行が十分とは言いがたい社会とのコミュニケーションの場として、電車、駅構内、タクシー等の物理的な移動手段への出稿を強化しました。

掲出した交通広告の例
掲出した交通広告の例

 結果、SNSでの反響やメディア掲載によって副次的に話題が広がり、想定していた以上の効果が出ました。具体的には、SmartHRの指名検索数が2倍に伸長し、サイト来訪後のCV率は施策終了後の5月末現在も高い数値を維持しています。中長期的な事業成長においても意義の大きいものだったと考えています。

 自社では、テレワークの推進および従業員の働きやすさを支援するため「リモートワーク環境を整える手当」の支給、「オンライン部活&歓迎会の支援制度」「ゴールデンウィーク期間の特例祝日振替制度」等を新設。こうした取り組みは「オープン社内報」の記事として社外の方にもご覧いただける形で発信しています。

BtoBの枠に閉じないブランド戦略を

 今後はテレワークが働き方のスタンダードになると予想されますので、SmartHRがその助けになるというメッセージは継続的に発信していきます。しかし、テレワークの実現は提供する価値のひとつに過ぎません。より広く「働き方改革の推進」と「すべての人が気持ち良く働くこと」を支援する存在でありたいと考えています。

 SmartHRは、人事労務部門の業務効率化サービスとして一般的に認知されていますが、入退社・年末調整・給与明細などを通じて、職種を問わず利用機会の多いプロダクトです。今後はBtoBの枠に閉じず、すべての人の働きやすさを支援するBtoBtoEプロダクトとして、ブランド戦略を進める方針です。

株式会社SmartHR 執行役員/VP of Marketing 岡本剛典氏

株式会社SmartHR 執行役員/VP of Marketing 岡本剛典氏

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