SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

【リモート入社&研修をどう進めた?】アスクル新卒社員がコロナ禍で見つけた新たなビジネスチャンス

社会、お客様、アスクル三方よしのアイデアとは?

――では、課題報告会でどのような商品を提案したのでしょうか。

小笠原:自社がもっている強みを活かせないか考えたとき、アスクルがフェーズフリー商品の普及に力を入れていることを思い出しました。フェーズフリーは、日常時と非常時という2つのフェーズを取り払い、日頃利用している商品を災害時にも使えるようにしようという考え方なのですが、まだ社会に完全に浸透している考え方とは言えません。そこでラインナップの1つに、飛沫防止のパーテーションを加えてはどうかと考えました。

井関:そこで私たちが提案したのが、レジ前に設置する「フェーズフリーパーテーション」です。

井関:日常時は、パーテーションの土台の部分をレジで使用するiPadの充電器として使えます。そして災害時は懐中電灯やUSBポートとして使えるようにすることで、衛生/防災対策を日常に組み込むことができると考えました。私たちのチームはこのアイデアを、課題報告会で提案しました。

――リモート環境で課題を進める過程で大変だったこと、工夫したことはありましたか。

伊藤:オンライン上だと発言が被ってしまったり、タイムラグが発生したりすることで、議論に時間がかかってしまうと感じていました。そこで出社の時には事前に「この部分について、より話を詰めよう」と、目的をすり合わせるようにしていました。

長岡:スライド作成のような作業も集まった方がやりやすいので、出社日に一気に進めましたよね。とりあえず集まろう、ということではなく、いつ何をどのように進めるかを事前に決めてから臨むことで、限られた出社日を有効に活用できたと思います。

――出社が当たり前の状況と比べて、異なる進め方をする必要があったのですね。

伊藤:はい。初めて出社して皆と会えた時が、いちばん楽しかったです。「この人はこれくらいの身長なんだ!」などということも、リモートでは全然わからなかったので……(笑)

リモートネイティブ世代の武器になるもの

――最後に研修を終えた感想とこれからの抱負、リモート入社・研修を進めるポイントを教えてください。

長岡:インプットとアウトプットを繰り返した、とても濃い期間でした。大変な状況を同期みんなで乗り切ったことを誇らしく感じていますし、支えてくれた社員の方々に感謝しています。

 私はデータ分析の部署に配属になったのですが、データは切り取り方次第で見え方が変わるため、正しい情報を他の部署に渡せるように頑張りたいです。また、私の部署は今後もテレワークが続く予定なので、研修で得た知識を使っていくとともに、部署内で役に立ちそうな知識はどんどん発信していきたいと思います。

松井:私は調達の部署に配属になりました。お客様も不安な状況で過ごされていると思うので、「明日来る」を実現し、不安を払拭できたらいいなと考えています。また、リモート研修では、相手の立場に立って、どんな反応をすれば進めやすいかを考えるようにしてきました。OKのジェスチャーをしたりするだけでも、雰囲気は変わっていくと思います。これからもそういう気遣いを忘れないようにしたいです。

伊藤:入社前に想像していた働き方とは違ったのですが、入社前のアスクルのイメージだった「進化・挑戦を受け入れて、従来に囚われない会社」だということを、リモートでも感じ取ることができました。

 私はこれからカテゴリーを横断したデータ分析していく部署で仕事をするのですが、コロナ禍の影響などを会社にスピーディーに提供できるような力を身に着けたいです。

小笠原:コミュニケーションについては試行錯誤しましたが、リモートであることを気にしすぎず、その人が目の前にいると思ってコミュニケーションをとることが大事ではないかと考えています。

 私はこれから調達に関わる部署で働きます。研修でも、コロナ禍で社会がどういう影響をうけたかを考えてきましたが、配属先の部署も大きな影響を受けているので、考えたことを活かせると思います。

井関:リアルでは「会う」ことが前提とされていますが、場所に制約がないリモート「だからこそ」できたことも、実はたくさんあったと思っています。私はマーチャンダイジング本部の文具セクションに配属されたのですが、研修を通じて新しいコミュニケーションの在り方が生まれていることを身をもって実感したので、それを支えるための新しい文具の姿を考えてみたいです。

多田(人事):今年の新卒は「リモートになってしまって、かわいそう」と言われることがたびたびあったのですが、決してそんなことはなく、なにができるかを前向きに考え、実行してくれたと頼もしく思っています。

 また今期の特徴として、例年とは違う切り口のアイデアや質問が寄せられ、こちらが驚くような内容も多くありました。リモート環境だからこそ、自分で咀嚼し考える、どこまで理解していてどこから理解できていないのかをはっきりさせる、といった経験をたくさんしてきたのではないでしょうか。これはリモートネイティブ世代の強い武器になりうると思います。

――本日はありがとうございました。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/09/04 07:00 https://markezine.jp/article/detail/33860

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング