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見込み客はなぜ逃げてしまうのか?ウェビナーでは「学習プロセス」が失われていた

2020/11/11 07:00

 BtoB企業の新規顧客獲得に用いられてきた展示会やセミナーは、コロナウイルスの影響を受け中止を余儀なくされている。そんな中、各企業が代替手段としてウェビナーに取り組んでいるが、商談に進みづらいという声は少なくない。本記事では、様々な業界のプロジェクトマネジメントに携わり、出展者としても支援者としても展示会に関わってきた前田考歩氏が、見込み客ごとの段階に適したコンテンツ制作をはじめとした、ウェビナー設計のポイントを解説する。

目次

本連載では、『紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本』(前田考歩/翔泳社)でも取り上げている、プロジェクトのゴールと過程を紙1枚で共有する「プ譜(プロジェクト譜)」を用いて、激変する環境でもプロジェクトを進めていく方法を、いくつかの事例とともに紹介していきます。

▼前回の記事はコチラ

ウェビナーが商談化しづらい要因は

 コロナウイルスの影響を受け、新規顧客獲得の重要な手段であった展示会が開催できなくなり、BtoB企業は大きな影響を受けています。代替手段として多くの企業がウェビナーやオンラインイベントに取り組んでいますが、各社から共通して聞く課題は、「集客はできる(参加者は集められる)ものの、具体的な商談に進みにくい」というものです。

 コロナ後のマーケティング活動は、まだ試行錯誤の只中。これまでオフラインで行ってきたことをデジタルで補完・代替しようという動きがありますが、デジタルではどうしても難しいこともあります。それが商談につながらない遠因になっているのではないでしょうか。具体的に何がデジタルではできない or 難しいのかを、コロナ前後のセミナー・ウェビナー集客から商談化までのプロセスを見比べながら考えてみましょう。

コロナ前後のセミナー・ウェビナーの商談化プロセス(タップで拡大)
コロナ前後のセミナー・ウェビナーの商談化プロセス(タップで拡大)

 筆者は、出展企業としても支援者としてもコロナ前後の展示会を体験していますが、コロナ後の見込み客育成のプロセスで失ったもののうち、最も影響が大きいのが「見込み客との1対1の会話・ヒアリングの機会」です。

 展示会であれば来場者に声をかけ、自社ブースに招き入れ、製品の説明をします。ここで出展企業は来場者を「見込み客」として扱います。このとき、「30秒でいいから」と強引に足止めして名刺をゲットした見込み客もいれば、展示されている製品について質問をしてくる見込み客もいるでしょう。

 質問の中身は様々です。製品のスペック、他社製品との違いの他、見込み客自身がもっている課題について相談を受けることもあります。出展企業担当者はそこで話した内容を名刺の裏やアンケート用紙にメモし、その内容をSFAツールに入力し、御礼メールを自動送信するなどして見込み客育成のプロセスが始まります。

 一方見込み客側は、何らかの目標実現・課題解決のための情報を収集したり、基礎知識を学んだり、スキルを習得。それらを自分の仕事や業務と捉えて進めています。知識を獲得し、わからなかったことがわかり、できなかったことができるようになる。これは「学習」のプロセスによく似ています。

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見込み客は「学習者」である

 学習というと、教室の中で教師の話を聞くというイメージを抱きがちですが、そうしたフォーマルな場でなくても学習は行われています。企業の担当者を、学習者と捉えてみると、セミナー会場での他者との会話や、授業後の講師との質疑応答も学習の範疇と言えます。ただ教えられるだけではなく、質疑応答や他者との会話を通じて、知らず知らずの間に自分の思考の整理や判断基準に磨きをかけたりして学習を進めているのです。 

 先ほどウェビナーで失われたものとして挙げた「展示会での1対1の会話」もまた、学習が起こる場だったのではないかと筆者は考えています。下図は、こうした学び方や、学びが起こる場所についてまとめたものです。

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 ウェビナーでは「全体の学び」は行われますが、インフォーマルな「同じ境遇者との学び」や「個別の学び」が失われています。そのため、Zoomのブレイクアウトルームなどの機能を使い、プログラムの中にグループディスカッションを設け、「同じ境遇者との学び」の機会を作るのは一手です。

 また、ウェビナー講師との1対1の質疑応答の機会を設け、「個別の学び」の機会を作ることもできます。ただ、主催者側のリソースによっては実行が難しく、機会を設けたとしても利用してもらえるかどうかは学習者側の心理状態に大きく左右されるため、ここでは扱わず、その一つ先の取り組みを紹介していきます。

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