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dotグラフィで探る、Z世代のホンネ

オンライン=リアルの「Z世代」と線引きするX・Y世代 コミュニケーションと人間関係はどう変わったか

【考察】Z世代のコミュニケーションと人間関係

 いかがでしたか? 後編では、Z世代の親子関係、さらに社会人とのコミュニケーションの違和感について探っていきました。

 Z世代の親との関係について探る調査では、関係性が友達化してきていることがわかりました。これについて深く考えると、「Z世代の変化」と「親世代の変化」の両方が関係していることが考察されます。

・母親と父親が対等になってきている
 
「父親は外で働き、母親は家を守る」という時代を経て、今では「共働き」が当たり前になりつつあります。「育メン」という言葉が流行るなど、昔に比べて父親が子どもに接する機会が増えたことは明らかです。それにともない、母親は育児に縛られず、仕事と育児を両立させたり父親と一緒に育児をしたりするようになっています。このような状況が、家族の仲をより親密なものにしていることが考えられます。

・親がソーシャルシフトしている
 
SNSの発達により、親世代も様々な価値観に手軽に触れられるようになりました。このように親世代がソーシャルシフトしたことで、ライフワークバランスや男女均等などの価値観が自然に浸透し、家族のあり方にも影響を与えていることが予想されます。

・思春期のよい子化
 
これまで、あって当たり前のものとされてきた「反抗期」。しかし最近の研究では、反抗期を経験する若者が減っているということがわかっています。平成28年に行われた調査では、「反抗期はなかった」と答えた学生が251名中49.6%を占めました。反抗期を経験した人は、思春期を経たあとも親には理解されにくいという感覚が残ります。しかし、その経験がないZ世代は、親といつまでも信頼しあえているのかもしれません。

*参考:二森優希,石津賢一郎「第二反抗期経験の有無と過剰適応が青年後期の心理的自立と対人態度に与える影響」

 次に、社会人とのコミュニケーションに関する調査では、Z世代はリアルとオンラインをはっきり区別する社会人の特性に、違和感を覚えているということがわかりました。それに対し、Z世代が「リアルとオンラインを区別しないこと」にこだわるのは、子どもの頃からSNSストレスを経験してきた世代だからかもしれません。

SNSストレスを緩和させるZ世代の知恵

 大学生136名に行った研究により、SNSストレスは7種類に分類できるとわかりました。投稿拡散不安ストレス・閲覧強要ストレス・社会的比較ストレス・友達申請の拒絶ストレス・SNSと現実のギャップストレス・過剰なつながりストレス・背伸びストレスの7つです。なかでも、社会的比較ストレス・SNSと現実のギャップストレス・背伸びストレスの3つを詳しく見てみると、このようなものになっています。

・社会的比較ストレス
他人の投稿を見ることで自分は劣っていると感じ、自尊感情が低下してしまうストレス

・SNSと現実のギャップストレス
SNSと現実の、接し方や人間関係の違いに戸惑ってしまうストレス

・背伸びストレス
ポジティブに自己呈示することに煩わしさを感じるストレス

 Z世代は、子どもの頃から、これらのストレスと向き合ってきたと予想されます。このような煩わしさを少しでも緩和させ、受信側にもストレスを与えないために、オンラインとリアルを区別しないという暗黙の了解ができているのではないでしょうか?

*参考:岡本卓也「SNSストレス尺度の作成とSNS利用動機の違いによるSNSストレス」

 以上、Z世代に近い存在から遠い存在まで3つの関係性を見ていきました。Z世代と接するときに何かのヒントになれば嬉しいです。次回は、Z世代のショッピングについて探っていきます。お楽しみに!

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

根本 清佳(ニモ)

1999年生まれ。学習院大学経済学部経営学科4年。dotでは主にグラレコやイラスト制作を担当。大学卒業後、dotに入社予定。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/09/24 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34366

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