Kantar(カンター)とその日本法人である合同会社カンター・ジャパンは、「グローバル広告エクイティランキング」を発表。第1回目のランキングのトップは、ソーシャルメディアプラットフォーム「TikTok」が獲得した。
同ランキングは、様々な環境における消費者の広告に対する態度を測定した、Kantarの「Media Reactions(メディア・リアクションズ)」調査のデータ分析レポートに含まれている。以下、一部調査内容を紹介する。
世界の消費者・マーケターが好む広告チャネルは?
世界の消費者・マーケターが好む広告チャネルを調査したところ、オンライン広告よりも、オフライン広告が好まれていることがわかった。その理由としては、広告の質の高さや信頼性、ターゲティングがないことが挙げられる。一方、マーケターが好んだのは、ほとんどがオンライン広告だった。
測定した世界7ヵ国のうち4ヵ国(オーストラリア、ドイツ、イギリス、アメリカ)で、映画広告がトップとなり、ブラジルと中国ではイベントスポンサーがランキングをリード。また、印刷メディアとDOOH広告も消費者の支持を得ていた。
オンライン広告は一般的にオフライン広告に比べて人気が低いものの、インフルエンサーによるブランデッドコンテンツ、ポッドキャスト広告、ストリーミングテレビ広告に対しては、消費者の好意的な傾向も見られた。
新しいプラットフォームに肯定的な消費者、確立されたプラットフォームを好むマーケター
世界の消費者・マーケターが好むデジタル広告プラットフォームを調査したところ、消費者においてはTikTok、マーケターにおいてはYouTubeがそれぞれトップとなった。
デジタル環境の中では、消費者もマーケターも、Google、InstagramやTwitterなどが信頼できるデジタルプラットフォームであることに同意している。しかし、消費者は一般的にTikTokのような新しいプラットフォームの広告に肯定的であるのに対し、マーケターはYouTubeのような、より確立されたプラットフォームを好んでいた。
コロナ禍、60%の企業がマーケティング費用を削減
COVID-19の流行により、ブランドの目的とDXにより焦点が当てられるようになった。同調査では、COVID-19によるパンデミックの期間中、60%の企業がマーケティング費用を削減したと報告しており、30%は大幅に削減したと回答。またマーケターにおいては、メディア予算の決定を行う際にROIとコストの考慮よりも、キャンペーンの適切性と広告の受容性を評価していた。
支出内容のシフトは、主に消費者のメディア習慣の変化に沿ったものであり、パンデミック時には以前よりもオンラインが多くなっていた。具体的には、世界各国でデジタルチャネルへの予算/リソース配分が増加。社会全体のロックダウンに対応して、オフラインメディアへの投資は減少していた。
これらの動きは2021年にはさらに加速し、特にオンライン動画についてはその傾向が強まりそうだ。最も恩恵を受ける可能性が高いグローバルプラットフォームは、YouTube、Instagram、TikTok、Googleと見られ、テレビはデジタルOOHとともに跳ね返ると予想されている。その他、ほとんどのオフラインメディアは、2020年の厳しいビジネス環境を2021年もひきずると見られる。
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