ゼータ・ブリッジは、2020年上半期のテレビCM放送回数と、放送時間に関する調査を発表。以下、一部内容を紹介する。
テレビCMの放送回数・時間が前年比で約10~20%減
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、すべての月でテレビCMの放送回数・時間ともに減少。特に、緊急事態宣言後の5月は、放送回数が前年比80%、放送時間は前年比86%と一番の減少となった(図1、2)。
放送回数が最も増加したカテゴリーは?「新たな生活様式」が大きく影響
放送回数が増加したカテゴリーは、1位「映像」(前年比178%)、2位「パソコン」(前年比151.9%)、3位「テレビ」(139.9%)という結果に(図3)。
1位「映像」は、コロナ禍における自宅での過ごし方の提案として、BD/DVD作品を紹介する内容が多かった。2位「パソコン」では、コロナ禍で出社と在宅勤務を選ぶハイブリッド型勤務が増えたビジネスパーソンに対し、持ち運びのしやすいノートパソコンを訴求する内容が見られた。一方、3位「テレビ」においては、番組宣伝を除く、WOWOW等の有料専門チャンネルや、テレビ局の地域密着型企画CMのほか、テレビ番組からのコロナ対策へのメッセージCMなどが多かった。
フードデリバリーサービスの放送回数が大きく伸長
放送回数が増加したカテゴリーで注目すべきは、4位「その他」に含まれているフードデリバリーサービスだ。「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の前年上半期の合計放送回数は491回だったが、2020年上半期は1374%増の6,747回に(図4)。一方、「出前館」の前年上半期の合計放送回数は231回、2020年上半期は3,249%増の7,608回と大幅に放送回数が増えていた(図5)。
放送回数増加ランキングTOP5にランクインしているカテゴリーは、2020年上半期で大きく変化した生活スタイルをサポートするものであり、テレビCMはその時代を映していると考えられる。
外出自粛要請の影響はテレビCMにも
放送回数が減少したカテゴリーは、1位「電車・航空」(前年比23.6%)、2位「観光・アミューズメント」(前年比34.3%)、3位「カメラ・プリンタ」(前年比38.8%)、4位「映画」(前年比44.7%)、5位「イベント」(前年比47.1%)という結果に。コロナ禍で、外出自粛の影響を大きく受けた業種が並んだ(図6)。
いずれのカテゴリーも緊急事態宣言後の4~5月は放送回数が著しく減少していたが、6月以降は徐々に放送回数を増やしている(図7)。
【調査概要】
調査主体:ゼータ・ブリッジ
調査期間:2020月4月1日~9月30日
対象:全国地上波25局、BS放送6局
調査方法:動画認識エンジンを活用したテレビCM自動認識システムにて取得した放送履歴情報を基に調査
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