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無駄な時間をごそっと削減、顧客満足度向上へ 栃木SCが取り組むフォーム作成管理の効率化

 コロナ禍によりリアルな顧客接点が少なくなったことで、オンラインを通じたコミュニケーションの重要性が増している。そんな中、栃木サッカークラブ(以下、栃木SC)では、ベーシックの提供するフォーム作成管理ツール「formrun(フォームラン)」を導入し、問い合わせ対応の改善を通じた顧客体験の向上に取り組んでいると言う。本記事では、栃木SCのマーケティング責任者である江藤美帆氏と、formrunのプロダクト責任者 甲斐雅之氏に、どのように活用を進めていったのか話を聞いた。

主要な顧客接点として問い合わせフォームを活用

――現在の栃木SCのマーケティング戦略において、Webサイト上の問い合わせフォームをどのような役割として考えていますか?

江藤:顧客満足度、いわゆるCSを上げるために重要なものと位置付けています。今まで栃木SCでは、お客様の年齢層が高めということもあって、主要な接点は電話となっていました。クラブのWebサイト上にお問い合わせフォームも設置していたものの、お問い合わせの件数は圧倒的に電話が多かったんです。

栃木サッカークラブ マーケティング戦略部長 江藤美帆氏
栃木サッカークラブ マーケティング戦略部長 江藤美帆氏

江藤:こうした課題からフォームを活用する取り組みを進め、現在は電話番号の掲載もなくし、フォームからのお問い合わせのみを受け付けています。今では顧客接点として、最も重要な役割を担っています。

――従来の問い合わせ受付において、どのような点を課題に感じていたのでしょうか?

江藤:サッカークラブって試合を開催しているだけと思われることも多いですが、自治体のホームタウン活動としてサッカー教室や体操教室を開いたり、スクールやアカデミーなどの下部組織の経営、企業とのコラボ活動や営業活動をしたりと、実際は様々な活動をしています。

 そのためお問い合わせの内容も多岐にわたるのですが、スタッフたちはそれぞれの専門分野に分かれて切り盛りしているので、一元的にお答えするのが難しい。それで以前はメールフォームからお問い合わせがあったときに、内容に応じて担当者にメールを転送し、振り分ける作業が必要だったのですが、そのやり方だと返信までに時間がかかってしまっていました。

 また、スタッフからの返信に抜け漏れが起こってしまうと、管理する側もどの担当者が返信したのかを把握できていないため、クレームが届くこともありました。それらの積み重ねにより、チームのブランドイメージを毀損する可能性が生じることを課題に感じていました

チーム単位での安定した管理を実現

――栃木SCでは、ベーシックの提供するフォーム作成管理ツール「formrun」を導入し、2019年12月より運用されているとうかがいました。導入の決め手は何だったのでしょうか?

江藤:まずはテストで使わせてもらったのですが、「未対応」「対応中」「対応完了」など、カンバン方式でステータスごとにお問い合わせを管理できる点が、素晴らしいと思いました。

 それと、これまで色々と有料のメールフォームサービスを見てきましたが、お問い合わせを複数人でチーム管理できる点にも、非常に魅力を感じました。課題に感じていた抜け漏れや、自分宛のメールへの返信有無も確認できるようになりましたし、使い勝手の良さを実感できました。

 もちろん、フォーム作成ツールとして簡単にフォームを作成できるのもポイントです。ITに明るいメンバーが少ない中、デザインやコードの特別な知識を必要とせずにフォームを作れることにも驚きでした。

作成は“最短30秒”で完了!管理のしやすさも両立

――甲斐さんから、formrunの概要を製品としての強みとともに教えてください。

甲斐:formrunは、フォーム作成からフォームに入力された顧客情報の管理までをワンストップで行うことができるツールです。2016年12月にサービスリリースし、現在は累計で7万人を超えるユーザーの方にご利用いただいています。

ベーシック SaaS事業部 formrunプロダクトオーナー 甲斐雅之氏
ベーシック SaaS事業部 formrunプロダクトオーナー 甲斐雅之氏

甲斐:江藤さんにお話しいただいた内容と合致しますが、私たちが考えるformrunの強みは2点です。

 1つは、デザイン性の高いフォームを“最短30秒”で誰でも簡単に作れる点です。多種多様なテンプレートを用意しており、お問い合わせ窓口や営業リード管理など、利用シーンに即したテンプレートを選ぶことで、コーディングいらずで簡単にフォームが完成します。そうしたサービスは他にも見受けられますが、企業で利用するものですとブランド性を担保する必要があります。その点、formrunではビジュアル豊かなフォームを提供できる点が強みです。

 2つ目は、ボードでのステータス管理です。通常制作会社にフォームを作ってもらうと、エントリーが発生したフォーム情報を、個人のメールアドレスに振り分けて通知する場合が多いのですが、formrunではフォームから送信された顧客情報をボード画面でステータス別に管理が可能です。メールの送信履歴もログインしているアカウントごとに記録できるので、そうした機能によってメール対応もスムーズに行えます。

甲斐:加えて、フォーム送信が発生した際のメールやチャットへの通知や、収集したフォーム回答内容の分析、顧客管理、メールマーケティングにも活用できる拡張性の高さを魅力に感じているお客様も多数いらっしゃいます。また24時間365日、サーバーを監視しており、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格である「ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014」の認証を取得している点も、セキュリティを重要視している大企業のご利用者様から支持を得ております。

自分たちにないリソースを収集するツールにも

――栃木SCでは、formrunをどのように活用されているのでしょうか? 具体的な事例を教えてください。

江藤:クラブへのお問い合わせフォーム作成にはじまり、以前はFAXで受け付けていた法人・団体チケット販売を「団体チケット申し込みフォーム」を設けてオンラインで購入できるようにしたり、ボランティアスタッフの募集をフォームで受け付けたりと、様々なお申し込みにformrunを活用しています。

 お問い合わせ以外で例を挙げると、新型コロナウイルス感染症への対策により無観客での試合再開が決定した際に、無観客での試合中に放送するチャント(応援歌)の音源の募集を、フォームからご応募いただけるようにしました

 自分たちが持っている音源は、試合会場でのアナウンスや対戦相手チームの音が紛れていて使えなかったので、ファン・サポーターが持つ、ゴール裏やバス待ちゾーンなどで撮影した動画や音声ファイルをご提供いただくことにより、スタジアムでチャントを流そうと考えた次第です。ファイルの添付が可能な部分にも、使い勝手の良さを感じました。

――問い合わせの体制や顧客の反応に、何か変化は見られましたか?

江藤:団体チケット販売や、車いす席のお申し込みなどをFAXでやり取りしていたのですが、FAXだと送信時に不備が生じることもありますし、届いたかどうかの確認も完璧にはできません。また、試合の10日前までにお申し込みいただくようにしていたので、お客様にとっても不便であったと思います。

 それがフォームでお申し込み可能になったことで、情報管理もしやすくなりましたし、デジタルデータで記録が残るようになったのは、良い変化と考えています。

 ファン・サポーターからも、以前は「意見を送っても反応がない」とのお声をいただいたのですが、今はお問い合わせ1件に対して必ず担当をつけて対応しており、「自分たちを見てくれる」という安心感を与えられているのではと思っています。

 スタッフも、自分がどの程度お客様に対応しているかを数字で可視化できるようになったことで、モチベーション向上に一役買っているようで、私自身としても導入して良かったと感じています。

コミュニケーションコストの大幅削減で生産性が向上

――以前は外注でフォーム作成をされていたそうですが、「formrun」導入によって、実装までの時間やコストにも変化があったのではないでしょうか?

江藤:そうですね。今まではフォームの作成を依頼したら、リードタイムとして1週間、都度数万円の費用がかかっていました。それがformrunではフォームを作り放題な上、必要なときにすぐ作成できるので、外注先のWeb制作会社とやり取りするコミュニケーションコスト、リードタイムが削れたメリットは非常に大きいと思っています。

 フォーム作成に対する心理的ハードルも取り払うことができ、様々なバリエーションのフォームが作れるようになったので、今まで代表のお問い合わせフォームに集約していたものを、必要とされるシーンにあわせて別のフォームを新たに設けることにも容易に取り組めました。これらの取り組みにより、過不足なくフォームから情報を収集できるようになったと感じています。

甲斐:様々なお客様の導入例を見ていると、フォーム作成に1週間かかっていたものが数分に短縮でき、顧客と接するタイミングを逃さず、スムーズにコミュニケーションができるようになったケースが多いように感じます。

 メールの取りこぼしなども、よく考えれば余計な対応として貴重な人的リソースを割いてしまう場面に該当しますし、定量的な損失として可視化されるがゆえに、その重要性に気づかされます。こうした作業効率を向上できる点で、現場では想像以上にポジティブな影響を及ぼしているんじゃないかと分析しています。

 あとは人件費で見たとき、コミュニケーションコストが減っていることのインパクトは明らかです。外部の人に依頼して、設問項目やメール配信設定の要件定義をして、いざフォームを作って、何かあったらリードタイムを保って修正変更する時間やお金のコストをシンプルに削減できているわけですから。

江藤:まさにその通りで、ローカルなサッカークラブは常に最低限の人員で運営していますし、いかに無駄な仕事を減らして、本質的な仕事にリソースを振り分けられるかが非常に大事です。

 formrunを導入したことで、私がメールを回覧したり、対応確認したり、無駄な時間をごそっとなくせたことに、一番メリットを感じています。そうして生まれた時間をファン・サポーターのための企画を考える時間などに充て、生産的な業務にリソースの振り分けが可能になったのは大きなメリットです。

顧客管理からリソースの収集へと広がる活用の幅

――「formrun」はその拡張性の高さから、他にも様々な活用がされていると思います。ここまでにお話しされた活用方法以外にも、おすすめの使い方があれば教えてください。

甲斐:BtoB企業ですと、新型コロナウイルス感染症への対応をきっかけにウェビナーなどの開催が増えたことから、ウェビナーの参加者募集からアンケート収集など、一連の参加者管理から満足度収集までをまとめて担うケースが増えてきています。

 マーケティングや営業管理の面では、資料請求フォームのような形でサンクスページにダウンロードボタンを設置し、管理画面でリードを管理する使い道があります。また、採用のエントリーフォームをformrunにして、応募者の管理も可能です。基本的に社内のありとあらゆるフォームを全てリプレイスできると思っています。

 あとは、キャンペーンでのご利用も多いですね。formrunではフォーム公開までのリードタイムを短くできるため、急遽何かのタイミングに合わせてキャンペーンを実施しようとなった際も、スムーズかつ気軽にご利用いただいているようです。

――栃木SCでは今後、フォームの作成や管理を通じ、顧客のどのような体験を追求していきたいとお考えですか?

江藤:サッカークラブ、特に私たち市民クラブというのは、沢山の人たちの力で成り立っている組織なので、チームに関わりがある人たちからの声を集めたり、意見や改善のアイデアを募ったりと、様々な人とコミュニケーションを取りながら、ご協力いただく機会が今後も必須です。

 何か企画などを練るとき、ファン・サポーターのことを頭に思い浮かべながらアイデアを考えることもあるのですが、そのアイデア出しに時間を使うなら、フォームを使ってアンケートを採って聞いてしまう方が良い仮説を得られやすいですし、何よりも早い。自分たちが持っていないリソースなんかも、集めてしまった方が良いと思っています。

 そうしたファン・サポーターの貴重な声や協力を集めるためのツールとして、今後も活用していきたいと考えています。

30秒でフォーム作成!フォーム作成管理ツール「formrun」

formrunの各種機能や活用事例などの詳しい情報はこちらから!

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/34715