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「信念があるかないかはあっさりと見抜かれる」リアリティが求められる時代のPR論

2020/12/24 07:00

 コムエクスポジアム・ジャパンは10月29~30日、「アドテック東京2020」を開催した。本稿では、公式セッション「広告とPRの境界線」の内容をお伝えする。モデレーターを務めたのは吉野家の田中氏。コロナ禍における市場変化を踏まえ、博報堂ケトルの太田氏、ベクトルグループの吉柳氏、電通デジタルの川上氏とPRの重要性について議論した。

目次

昨今のPRはコンテンツの自走設計が主流に

田中:吉野家の田中です。本日はPRの最前線に立つ方々をお迎えし、議論していきたいと思います。まずは皆さんご自身と会社の紹介をお願いします。

太田:博報堂ケトルの太田です。当社はクリエイティブエージェンシーとして、「手口ニュートラル」を掲げ、統合コミュニケーションを行っています。具体的には、CMやネット広告に加え、ドラマやメディアを作ったり、時にはアワードやアパレルブランドを立ち上げたりしています。

(左から)吉野家 チーフ・マーケティング・オフィサー 田中 安人氏、博報堂ケトル 代表取締役共同CEO 太田 郁子氏

(左から)吉野家 チーフ・マーケティング・オフィサー 田中 安人氏
博報堂ケトル 代表取締役共同CEO 太田 郁子氏
(プロフィール写真:各社提供)

吉柳:私は学生時代にベクトルの創業期から参画しました。当社は元々PR会社でしたが、現在はグループ内にソリューションを提供する会社が45社あり、PR事業は昨年度決算で全体の3分の1ほどです。

川上:新卒で電通に入社し、自動車や消費財をはじめ、エンターテインエントや食品業界の広告、PRを担当してきました。電通デジタルは若い社員が多く、前例にとらわれない取り組みを行っています。

(左から)ベクトルグループ 取締役副社長 吉柳 さおり氏、電通デジタル 代表取締役社長執行役員 川上 宗一氏
(左から)ベクトルグループ 取締役副社長 吉柳 さおり氏
電通デジタル 代表取締役社長執行役員 川上 宗一氏
(プロフィール写真:各社提供)

田中:そもそもPRとはなんなのでしょうか。吉柳さんからご解説お願いします。

吉柳:日本企業においてはこれまで、パブリシティというメディア露出のことをPRと定義することが多かったと思います。そんな中で当社も、パブリシティの獲得を中心にしたサービスを展開していました。プレスリリースを作って、それを世の中に発信する。その先に期待されるのは、メディアで取り上げられることだったのではないでしょうか。

 しかし昨今、「コミュニケーションのD2C化」が起きています。従来のPRは、メディアに露出することを目標に逆算設計されていたのですが、現在はコンテンツや商品を中心に据え、それが自走する設計が行われるようになってきているんです。つまり、情報が生活者にダイレクトに届くようにすることで社会現象や態度変容が起き、最終的にマスメディアでアーカイブされる。これが今のPRの流れです。

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