教員志望からキャリアをスタート
野崎:今回は、ネイティブ広告サービス「LOGLY lift」などを提供するログリーの子会社、クロストレックスにて取締役を務める三浦愛さんのキャリアを振り返ります。三浦さんはマーケティング領域の経歴が実は浅いにも関わらず、現在取締役として自社ツールのBtoBマーケティングを行っていらっしゃいます。
そんな三浦さんがどのようなキャリアを歩んできたのか探っていきたいと思うのですが、思考性を探るために学生時代から最初の就職まで教えてください。
三浦:元々は社会学や歴史、教育などを大学で勉強しており、社会科の高校教員を目指していました。
野崎:元々は教員志望だったんですね。マーケティングにはその当時興味はなかったんですか。
三浦:多少興味はありましたが、それよりも先述した学問への興味が強かったので、勉強はしていなかったです。
野崎:踏み込みますが、教員採用試験には受かったのでしょうか。
三浦:いえ、残念ながら不合格でした。小学校や中学校、また違うエリアの高校教員など選択肢は他にもありましたが、あくまで地元である山形県の高校教員になることが夢だったので、いったん就職して視野を広げてみようと考えました。
野崎:新卒ではどのような会社に就職したのでしょうか。
三浦:新卒で入社したのは、アパレルブランドを運営する会社です。店頭での販売、DMの企画・制作、店頭ディスプレイの配置などを行っていました。
元々お客さんとお話をしたり、自分で服を作ったりするのが好きで、非常に自分の趣味や特技とマッチしていると思い、入社を決めました。ただ、就職してみると、マネジメント層が男性中心で、自分が今後成長した先に何があるのだろうか……と先のキャリアが見えないというギャップを感じていました。
コールセンターのアルバイトから覚醒
野崎:入社後に大きなギャップを感じたわけですね。ちなみに、この当時は教師への思いはまだあったのでしょうか。
三浦:はい、思いを捨てきれずにいました。そのため、アパレルブランドは1年ちょっとで退職し、毎日8時間近く勉強して、再度教員採用試験を受ける決断をしました。
野崎:かなり思い切った決断をしましたね。無事受かったのでしょうか。
三浦:実は、試験は受けませんでした。というのも、貯金が尽きたことをきっかけに始めたアルバイトで、新しい道を見つけることができたからです。
野崎:不本意とは言え、三浦さんにとって大きな分岐点が訪れたんですね。そのアルバイト先では、どういったお仕事をしていたのでしょうか。
三浦:コールセンターでのアウトバウンドコールですね。選挙の世論調査に関するアンケートを集めていました。また、通販企業のカスタマーサポート業務も担当でした。
その中で、人との会話の楽しさと目標を達成していくことの素晴らしさを改めて感じることができました。アパレル時代にもデイリーの売り上げなどを達成するために頑張っていたので、元々目標を達成することに対する思いが強かったんだと思います。
野崎:コールセンターでの業務が三浦さんの何を変えたんでしょうか。
三浦:コールセンターの業務を進めていく中で、上司の方から「教育現場だけじゃなくとも人に教えることはできるよ」とお話しいただいたんです。そこでリーダーに任命され、自らトークスクリプトや業務フローの作成を行い、それをコールセンターのメンバーに浸透させていくことに携わっていきました。
その中で、教員にならずとも誰かに教えることはできることに気づけました。教員への思いはそこで断ち切り、別の形でキャリアを築いていこうと決めました。