これまでの対応記録を会話の糸口に
また同社では、顧客体験を向上させるため、Service Cloud上の「顧客カルテ」を活用しているという。
「一回一回のお電話の際、お客様とどのようなやり取りをしたのか記録に残し、次に応対するコミュニケーターに引き継げるようにしています。お好みの商品の情報や、体調があまり優れていないようだった、あるいは飼っている猫の話をしたなどの対応記録を、次にお客様がお電話をくださったときの糸口にしています」(中西氏)
中西氏はこうしたやり取りを継続し、蓄積していくことが、次の利用につながると考えている。実際、コミュニケーターには、「丁寧に覚えていてくれて嬉しい」「いつも気持ちに寄り添ってくれてありがとう」といった顧客からの喜びの声を寄せられることが増えたという。社内でも、顧客に喜ばれたコミュニケーターを表彰する制度を作ることができたそうだ。
顧客データ・対応履歴をMAシナリオの設計にも活かす
またセールフォース・ドットコムのカスタマーサクセスチームによる質の高いアドバイスも、より良いECサイトの構築にひと役買っているそうだ。毎月1回、ノース・モール専属カスタマーサクセスチームが、ECサイト改善や分析レポートなどに基づき、改善点を提案。解決方法を提示してくれるという。
「Salesforce製品の導入によって、外部のコンサルタントに頼ることなくカスタマーサクセスチームによる質の高いコンサルティングを受けられるため、非常に助かっています。またこれまでバラバラに運用していた社内システムを統合したことで、運用担当者の負荷・運用コストも大きく軽減しました。これも大きなメリットですね」(小山氏)
また同社では、Commerce CloudとService Cloudで蓄積したデータを、Marketing Cloudに連携することで、MAシナリオの設計に活かしている。PIタグを用いた、メールコンテンツのパーソナライズにも取り組んでいるという。
Salesforce製品の導入によって、ほんの数ヵ月でオペレーションも成果も劇的に変わったノース・モール。同社では、これからどのような顧客体験を提供したいと考えているのだろうか。小山氏は、商品販売に留まらない、Northmallの目指すべき姿を次のように語る。
「サイト上の商品を一つひとつ丁寧に紹介したり、暮らしを少し楽しく、便利にするライフスタイルに関するコラムを発信したりするオウンドメディアの記事制作にも力を入れていきたいと考えています。コンテンツとECサイトの商品を連携し、メディアコマースに取り組んでいきたいですね」(小山氏)
一方、中西氏はMarketing Cloudの活用にもっと力を入れたいと考えている。これから増えるはずのECサイトから注文したユーザーへの対応も充実させたいのだそう。
「電話で問い合わせてくださったお客様に、ご希望の商品URLをすぐにメールでお送りしたり、お薦めしたい商品をSMSで携帯電話にお送りしたりしたいですね。とはいえ、大切なのは、お客様のご要望やペースに寄り添うこと。当社側の都合をお客様に押し付けないよう気をつけていきたいと思います」(中西氏)
これまで以上に、より良い顧客体験を提供するECサイトとコミュニケーションセンターの実現を目指し、ノース・モールの挑戦は続く。
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