メールマーケティングを成功に導く3つの要素とは?
平地:件名を短くするためにできる工夫はありますかね?
安藤:件名にチーム名やサービス名を入れないことですね。たとえば今回のテーマであるスポーツなら、メールアドレスの差出人情報にチーム名を入れてあげることで、件名にチーム名を入れずとも受信者はスポーツチームに関する情報であることが理解できます。そして、試合の日時と対戦チーム名だけ件名に入れれば十分伝わります。

平地:件名を短縮することに命をかけろということですね。その他にメールマーケティングのポイントはありますか。
安藤:メールマーケティングの成果はリストの質、タイミング、コンテンツの質という3つの掛け算で決まります。どれか一つが欠けてしまうと成果にはつながらず、逆にこの3つさえ守っていれば成果はおのずとついてきます。
特にタイミングは大事で、メルマガの平均的な開封率は15~25%と言われています。そのため、7割以上の人はメールを開封してくれないという前提に立って配信タイミングを設計することが重要です。
仮に多くの人に見られるタイミングを逃してしまったとしても、次の日やすぐ別のタイミングで再度同じメールを送ってしまえばいいわけです。同じようなメールを何度も送ることに抵抗を感じる方もいますが、7割近くの方は見ていないのだから、実はそこまで気にならないのです。そのため、メールの量はある程度多くても大丈夫です。
平地:メールが多すぎると購読解除が増えるんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
安藤:受け取り手が欲しい情報だったら購読解除はしませんよね。購読解除してしまうのは、その情報がその人にとっていらない情報だからです。つまり、出し手側の情報と受け取り手側のニーズが合っていれば、配信頻度は問題になりません。当然、コンテンツの質が悪くて購読解除が起きるのは避けるべきですが、その後態度変容を起こす可能性のない方であれば購読解除になってもいいと思います。
あくまで重要なのはリストの質なので、リストの量を気にしてメッセージ性の弱いメールを送る必要もないと思います。
スポーツ×メールでは、どんな活用が可能に?
平地:スポーツチーム・団体がメールマーケティングをどのように活用していくのがベストだと思いますか。ファンを醸成したい、グッズを売りたいなど目的によって異なると思いますが。

安藤:たとえば、新グッズが出るたびに案内メールを送ったほうがいいと思います。また、キャップの案内をしているメールから遷移させるLPをキャップの詳細ページにする必要はありません。所属選手のキャップも含めた商品一覧ページに設定したほうが複数商品を買うチャンスが生まれるので。
たとえば、私がよく読んでいるWWE(アメリカのプロレス団体)のメルマガも1日に1、2回は配信されていて、件名もうまく変えながら多くのグッズを紹介しています。だからついつい見ちゃうんですよね。
来場したときのイメージをメールで表現する
平地:たとえば、来場者のリピート率を上げたい場合、メールはどう活用できそうでしょうか。
安藤:具体的な観戦イメージを持たせてあげるメールが効果的だと思います。Jリーグのファンの方がチケットを買うときって、スタジアムから見える風景やスタジアム内のグルメの写真など、現場感を思い出したいはずなんです。これらの要素がメールの中に散りばめられていると「また生で見たい」と態度変容につながるのではないでしょうか。

平地:スポーツチームのメールで多いのが、試合ごとに選手やロゴを使ったキービジュアルを作っているんですが、それだと弱いということですかね。
安藤:日常的に行く人からすると、そういったかっこいいキービジュアルのほうが惹かれるかもしれません。ただ、最近行けていない人からすると「キービジュアルに映っている選手が誰かわからない」など、あまり刺さらない可能性はあると思います。
また、差別化の観点で見ても、JリーグやBリーグのキービジュアルはどこもイケてるので、そこで差を付けるのは難しいように思います。最近見たメールだと、駐車場の案内をしているチームもあったので、そういった情報のほうがライト層は気になると思います。
