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スポーツ選手のインフルエンス力をビジネスに活かす秘策【平地氏×タグピク泉氏対談】

インフルエンサーになるのに必要なのは覚悟と投資

泉:そこは選手自身が覚悟を決めて、コンテンツを作るのに、お金や時間を投資していくしかないと考えています。たとえば、料理人の世界においても、職人兼インフルエンサーという方が増えています。ついこの前までは「職人がSNSなんかやりやがって」と修行中の親方から怒られたりも、場合によってはお客様からもどうなんだろうと思われてたりもしていたはずです。

 しかし最近、SNSの外食シーンにおける影響力が高まっていることにより、その光景は大きく変わりました。よく私も職人さんにはインスタの運用方針を相談されますが、彼らも開店前の仕込みの時間に自ら魚をさばく様子をコンテンツにしたり、プロのカメラマンを雇って本格的な料理コンテンツを作ったりしています。

 そういった覚悟のもと投資をしている方の中には、予約で常にいっぱいの人気店にすることに成功している人もたくさんいます。超一流店はそんなことないでしょう、って思うかもしれませんが、実は違っていて、最近人気の一流店こそ、ちゃんとそこにビジネス的観点からしっかりとした投資をしています。

 どうしてもコンテンツ制作にはコストと労力がかかるので、そこに対する理解をしてもらうのと、コンテンツをアセット化できるとアスリートの新たな収益源になると浸透させることが求められていると思います。

平地:そこに投資できる環境をチームや選手自らが作っていく必要があるということですね。

泉:そうですね。ちなみに、数が多ければなんでもよいというわけではなくて、フォローされている数以上に重要なのは「フォロワー(ファン)」からの熱量になります。また、「選手が上げているコンテンツに対する熱量」も、企業が会社の商品やブランドの広告をお願いしたいかの観点では重要となっています。

 選手も、本業のスポーツ以外に、食、ファッション、その他、自分が大事にしているライフスタイルが何かはあるはずです。そこを丁寧に丁寧に切り出して、コンセプトを決めて、コンテンツにしていくのもインフルエンサーになる1つの選択肢だと思います。

平地:確かに、サッカー選手だからサッカーのコンテンツを上げなくてもいいというのは非常に参考になります。

泉:たとえば子供の頃から風景写真を撮るのが趣味なら、毎日素敵な風景を撮ってUPするだけでもいいんです。好きじゃないことはなかなか続かないと思いますし、写真の世界観などもとても大事ではありますがもっとも重要なのは長く継続して続けることです

 フォロワー数やエンゲージメントは一朝一夕では伸びないので、自分が日々コンテンツを上げるのに苦労しないネタを、プレイやトレーニング、オフの趣味などで見つけられるといいですね。

コンテンツの気軽な投稿が可能なのはTikTok

泉:また、投稿クオリティをそこまで気にしなくてもコンテンツをアップしやすいのが短尺動画のTikTokです。TikTokではコンテンツの映像クオリティの高さよりも、コンテンツのおもしろさや話題性、流行している音楽とのマッチングやテロップの入れ方が重要になるため、スマホが1台あれば十分です。YouTubeのように動画の編集機材やソフトが必要なく、コンテンツを気軽に作れます。

平地:なるほど。現在チームや選手がコンテンツ作りを行う上で一番悩ましいのがカメラマンの確保なんですが、TikTokであればたしかにカメラマンがいなくともコンテンツは作りやすい環境にあるわけですね。

泉:そうですね。TikTokにフィットしたコンテンツのアイデアを作ることができれば、撮影にかかる労力やコストは抑えられると思います。しかもユーザーもそんなに動画の撮影技術に関するクオリティを気にはしていなくて、どちらかというコンテンツのおもしろさやレアさ、オリジナリティが求められます。

平地:ちなみにTikTokにフィットしたコンテンツのアイデアを考える際に、何か参考にできるものはありますか。

泉:まずは競合となりそうなアカウントのコンテンツを一通り見ることですね。たとえば各競技名で「バレーボール」などと検索すれば、その競技に関して何万、何十万再生されている動画がすぐ把握できます。

 選手一人ではなくて、チーム全体でのコンテンツを検討される場合には、まだTikTok上で話題になるコンテンツを出せている国内のスポーツチームはそこまで多くないと思うので、海外系のワードで検索してみて、海外のチームにも目を向けて事例を集めていくのが一番の近道ではないでしょうか。

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企業がスポーツ選手をインフルエンサーとして活用する可能性は?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/35379

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