Marriott Tokyoがコロナ禍でのレストラン集客に活用、ROIは290%に
Cosmoseは米国、中国、東南アジアに進出しており、現在の顧客には、LVMH、Cartier、GUCCIなどのラグジュアリーブランド、Airbnb、Subway、Tencent、Samsungなどが名を連ねる。カテゴリーは12に及ぶという。
日本での本格的な展開はこれからだが、すでにMarriott Japanが東京でホテル内のレストランの集客に利用している。コロナ禍で旅行客が激変したことで、ホテル内のレストランも大きな影響を受けた。そこでMarriott Japanでは東京にあるリッツ・カールトンやウェスティン、シェラトンなどのホテルにCosmoseを導入してオフラインの消費者行動を分析し、位置情報に基づくターゲティング配信を行った。
具体的には、東京近郊でハイエンドホテルや高級レストランによく行くユーザーを識別、FacebookとInstagramでキャンペーンを配信したところ、広告をみたユーザーは37万以上、クリック数は3,100以上、167人が実際に来店したという。
「ROIは290%を達成、素晴らしい結果でした。これをコロナ禍で実現できたことも大きいです」とMironiuk氏は胸を張る。
日本ではまずエコシステム形成から
日本市場への展開についてMironiuk氏は、「我々はアジアにフォーカスしている。日本への進出は自然なステップ」と説明する。タイミングとして今を選んだ背景には、新型コロナも関係している。「日本の小売業は厳しい状況にあるが、我々は支援できる」と述べる。
日本での展開を進める高橋氏は、 RTB Houseの日本法人立ち上げを手がけ、成功に導いた実績を持つ。「管理画面を見たときに、市場でできていないことができると直感した」という高橋氏、特に分析と配信がプラットフォーム上で同時にできるというCosmoseの特徴を挙げ、「分析と配信がシームレスにできることはOMOの文脈でとても有益。より売り上げに貢献し、顧客を支援できる」と目を輝かせる。

(撮影:関口達朗)
Mironiuk氏らは日本での展開ではローカライズが不可欠と考えており、すでに管理画面の日本語化などを進めている。高橋氏が現在取り組んでいるのが、日本におけるエコシステム形成だ。「個々の企業への提供はもちろんだが、より戦略的でインパクトのあるパートナーシップを組みたい」と高橋氏は戦略を語る。